内容紹介

Rustは、Firefoxの開発元であるMozillaが支援するオープンソースのプログラミング言語です。2017年末に公開されたFirefox のレンダリングエンジンの記述に使用され、その実行速度を2倍にしたことで有名になりました。オブジェクト指向と関数型の言語特徴を持ち、JavaやC#のようにVM(Virtual Machine)上の動作ではないため、既存のC言語のライブラリを直接扱える利点を持っています。またRustは、CやC++で発生しうる不正メモリアクセスに関する問題を,ある程度回避できるように設計されています。
 Rustはまだ新しい言語なので、本書の前半は実務に必要な詳しい文法を解説しています。文法や具体例などは、簡単なRustのコードを動かして確認しながら説明を進めています。後半は、具体的な利用法(Web API呼び出し、データベースアクセスなど)を中心に説明し、すでに他の言語(C++やC#、Javaなど)で同様にプログラミングをしたことのある読者を対象としています。

はじめに

第1章 Rustの特徴
第2章 環境構築
第3章 基本的な型、変数の扱い、束縛
第4章 文字列
第5章 文と式と関数
第6章 制御文とパターンマッチ
第7章 配列とベクター
第8章 構造体とメソッド
第9章 ジェネリクスとトレイト
第10章 所有権
第11章 パッケージの作成
第12章 ファイル入出力
第13章 マクロ
第14章 Web API呼び出し
第15章 データベースアクセス
第16章 C言語ライブラリの呼び出し
第17章 クロージャ
第18章 並列化
第19章 テストコード
付録A Rustのメモリ配置を調べる
 A.1 変数のポインタを扱う
 A.2 変数の移動(move)をポインタで確認する
 A.3 変数の借用(borrow)をポインタで確認する
 A.4 数値の変数はコピーされる
付録B Rustの型を調べる
 B.1 コンパイルエラーを利用する
 B.2 std::any::type_name を利用する
 B.3 いろいろな型を調べる

索引