内容紹介

資産価値を落とさない! 管理組合の運営ノウハウを徹底解説。
マンションの建物、設備、管理の状態をチェックする3つの制度


 資材価格の上昇や低金利などを背景に、新築マンションの価格高騰が続いています。2021年度の首都圏の新築マンションの平均価格はバブル期を上回り、過去最高を更新しました。
 この流れに引きずられるように、中古マンションの人気も高まっています。コロナ禍で在宅勤務が定着するなかで、いまより良い条件の住居に早く移り住みたいと考える人が増えていることも後押ししていると考えられます。

 一方で、現在住んでいるマンションを売却する際、築年数や広さ、立地がほぼ同じでも、成約価格には大きな開きが出ることがあるといいます。東京の都心部では2000万円以上の差が出た物件も! その違いはどこにあるのでしょうか?

 答えの一つに、マンションの管理の状態があります。日々の管理や点検、定期的な修繕を行っているマンションは、建物の老朽化を遅らせ、ときには資産価値の向上にもつながり、売買時の査定価格を押し上げることもあります。

 本書では、資産価値を維持するための管理・修繕の実践的なノウハウとともに、古くなったマンションを建て替える際のポイントを解説します。急増する築40年を超える高経年マンションへの対策として、国や業界団体が打ち出した新しい制度についても詳しく紹介しています。

目次

●巻頭特集 高騰するマンション価格、中古マンションの格差…購入者目線で考える「マンションの価値」

●Part1 マンションの建物、設備、管理の状態をチェックする
01 管理計画の認定制度がスタート 自治体が認定し、5年毎に更新
02 認定制度の普及はこれから 新築物件では予備認定が増加中
03 管理状態を星の数で評価する マンション管理適正評価制度
04 評価結果が公開されることで 資産価値の向上が期待される
05 今年はマンション管理評価元年 「管理力」が問われる時代に

●Part2 時代に合わせて変わる管理組合の運営方法
01 マンションでの暮らしを支える管理組合と管理会社
02 居住者は管理規約に従い、管理費・修繕積立金を納める
03 総会のオンライン化などIT技術で変わる管理組合
04 外部専門家も活用 注目集める第三者管理方式
05 マンション管理を円滑にする新しいサービスが登場

●Part3 マンションに求められる防災対策、危機管理体制
01 自然災害の激甚化でマンションの防災対策が不可欠に
02 管理組合が取り組むべき最低限必要な防災への備えを知る
03 多発する大規模自然災害 保険での備えがますます重要に
04 管理組合が加入するべき災害に備える保険と補償内容
05 管理組合に求められる災害時の指揮系統、連絡網
06 管理組合と管理会社、居住者、地域での防災対策への取り組み

●Part4 築年数別に考える建物・設備の修繕ポイント
01 住宅水準のアップに合わせたマンションの修繕・改良
02 築年数別にチェックしたい修繕箇所と必要な工事
  築40年超
  築30~40年
  築20~30年
  築10~20年
  築10年以内
03 付帯設備の活用状況も調べて時代に合った見直し・更新を

Column1 マンション居住者はどうしている? 町内会・自治会の加入状況と対応の仕方

●Part5 長期修繕計画の立て方、大規模修繕工事の準備の仕方
01 マンションのメンテナンスは長期修繕計画に沿って進める
02 修繕積立金の目安額が上昇 積立方式も要チェック
03 資産価値を維持するために定期的な大規模修繕が不可欠
04 大規模修繕は着工までが重要 進め方をつかんでおこう
05 工事費の目安額や収支計画を機構サイトでシミュレーション
06 修繕積立金不足は深刻な課題 早急に対処法を考えよう

Report マンション建替えに取り組む際に知っておきたいこと
建替え事例① 東京都渋谷区「アトラス表参道」の場合
建替え事例② 東京都調布市「多摩川住宅ホ号棟」の場合

Column2 住民同士の困ったトラブルや揉め事…「マンションADR」を利用して解決!

●Part6  一歩先を行くマンション管理のPDCA
Case01 浸水対策工事で共用施設を守る 多摩川に面する大規模マンション
    東京サーハウス管理組合(東京都大田区)
Case02 大規模修繕で施工不良が発覚 全面的補修までの長い道のり
    Aマンション管理組合(東京都)
Case03 組合を法人化し、委員会で業務分担 運営の仕組みと工夫で支持を得る
    イニシア千住曙町 管理組合法人(東京都足立区)