悪口やうわさ話に加わっていない? 当たり前の幸せを最後に感じたのはいつ? 心に残る美しい風景を思い浮かべられる? 胸がチクリとした人は、忙しさに流されて、大切なものを見失っているのかもしれない。他人ではなく自分に目を向け、日々の幸せを意識し、心を癒やす風景を持つ。そのちょっとした習慣が、毎日を静かに、確かに変える。日経ビジネス人文庫『心地よい自分が見つかる101の質問』(小林弘幸著)から抜粋・再構成してお届けする。
一生懸命になっていませんか?
気がつけば、人の悪口やうわさ話ばかりしている人がときどきいます。
そんなときの対処法はとにかく黙ること。
話に加わる必要はありませんし、自分に話を向けられても「よくわからないですね」「よく知らないんで」といっておくのが一番です。
悪口やうわさ話をする人は、そもそも自分の人生より他人の人生を見つめることに一生懸命なのです。
それでは自分の人生が楽しく、豊かにならないのは当然。
他人の人生ばかりに興味を示しているのですから、無理もありません。
自分の人生を楽しんでいる人、日々充実感を覚えている人の多くは他人の話をあまりしません。
「人間ができている」「人格が優れている」ともいえるかもしれませんが、むしろ、他人より自分に興味のベクトルが向いているといったほうが的確でしょう。
自分の人生に興味があるからこそ、当然「これからどうしたい」「こんなことをやっていきたい」という話が多くなるのです。
生きているのは自分の人生です。ぜひ、自分の人生に興味を向けてください。
感じていますか?
日々、患者さんと向き合っていて、多くの方が繰り返し口にするのが「病気になってみて健康のありがたみがわかった」です。
考えてみれば、私たちの日常は「意識しない当たり前」にあふれています。
健康に生きているのはもちろん、朝しっかり目覚めることができたり、おいしいごはんを食べることができること。知人や友人とおしゃべりしたり、太陽の下を散歩するのだって状況が変わればとてつもなく幸せな状況です。
おそらく多くの人がそんな「当たり前の幸せ」を忘れて、日々の忙しさやたいへんさに押しつぶされそうになっているのではないでしょうか。
でも、ときどきは「当たり前の幸せ」を意識して、思い出してみてください。
今、病気で苦しんでいる人であっても、太陽の光を浴びることができたり、誰かと楽しくおしゃべりするなど「当たり前の幸せ」を感じる瞬間はあるはずです。
不幸や苦しさに目を向けるのではなく、忘れかけている「当たり前の幸せ」を、少しだけでも意識してみてはいかがでしょうか。
「美しい風景」はありますか?
美しい風景は自律神経を整えてくれます。
苦しかったり、辛いことがあったりしたときは、ぜひ美しい風景を見に行って、その雰囲気を存分に味わってみてください。
それだけで体の状態は整い、気持ちにも何かしらの変化があるものです。
私にとって「印象に残る美しい風景」といえば、学会のためにスペインを訪れたときに見たコルドバの夕陽、アイルランドで働いているときに見た山々の風景でしょうか。
とりわけアイルランドにはたくさんの羊がいて、広大な山に無数の羊たちがたたずむ光景は今も鮮明に残っています。
しかし、そうした絶景と呼べる風景だけでなく、私の心には子どもの頃、自宅近くの河川敷から見た夕景も強く残っています。川を挟んだ向こう岸にたくさんの工場があって、夕陽に照らされたシルエットが印象的でした。
きっとあなたにもそんなふうに心を癒やしてくれる風景があるはずです。
毎日とはいいませんが、たまにはそんな風景を見に出かけてみてはいかがですか。

『 心地よい自分が見つかる101の質問 』
自律神経研究の第一人者が提案する、まったく新しい「整え」の習慣。「問い」に向き合うことで、忘れていた「自分にとって本当に大事なこと」がもう一度くっきり見えてくる。人間関係、生活習慣、自分自身を軌道修正したい人にぴったり。
小林弘幸著/日本経済新聞出版/880円(税込み)
