その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は梶谷健人さんの『 生成AI時代を勝ち抜く事業・組織のつくり方 』です。

【はじめに】

 「生成AIがスゴい」と語る記事や書籍は多い。

 しかし、経営層や事業リーダーなどの実務家が本当に知りたい「生成AIを活用して自分たちの事業・組織をどう成長させるか」について語っているものは少ないように感じる。実際、私の元にはそうした相談が多く、私自身もクライアントと共に様々な取り組みをしながらその答えを探究してきた。

 本書は、経営層や事業リーダー、サービスづくりに携わる方たちが真に求めている生成AIの知識やノウハウを提供することを目指した一冊だ。

 これまで私は新規事業開発やサービスグロースのアドバイザーとして様々な企業を支援したり、自分自身もXR/メタバース領域のスタートアップであるMESONを約5年間経営してきた。そして、現在は生成AIを活用して企業を成長させることをテーマに、テレビ東京やAI領域の上場企業であるエクサウィザーズ社をはじめとする、10社以上の企業に顧問として関わっている。

 そうした企業経営・新規事業開発・サービスデザインなどの経験と、生成AI領域の知見を組み合わせることで、数多あるAI関連書籍の中でユニークな一冊になったと自負している。

 本書の構成についてもここで触れておこう。本書では、「事業づくり」「サービスづくり」、そして「組織づくり」という3つのテーマに関して、「現在」と「未来」の2つの時間軸で章を展開していく。

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 まず1章では、生成AIの勢いや、それが我々の社会・ビジネスに与える影響、さらには領域ごとに最新の生成AIでどのようなことができるのか、全体観を明らかにする。

 続く2章では、成功する生成AI事業・プロダクトのつくり方について解説する。独自のメソッドやフレームワークの紹介に加えて、突き詰めると生成AIで何ができるかについても7つに分類して分かりやすく解説している。生成AIへの理解を深める上で、特に読んでもらいたいパートの1つだ。

 3章では、よりマクロな視点から生成AIが形作る我々の社会や個別の産業の未来を予測する。ここでは、(1)中長期の未来、つまり今後15~20年の時間軸で社会全体や人の在り方がどう変化するか、(2)比較的短期の未来、つまり今後5~10年の時間軸で各業界がどのように変化していくかについて、未来予測を提示する。

 4章では、テーマをユーザー体験(UX)に移し、生成AIならではの優れたユーザー体験をつくるために必要なフレームワークやベストプラクティスを紹介する。

 今後、ユーザー体験それ自体も、生成AIによって大きく変容するはずだ。5章では、そんな生成AI時代におけるUXの在り方の変化を「5つのキーワード」で解説していく。

 そして6章では、組織づくりにテーマを移す。「生成AIを活用していかに組織の生産性やアウトプットクオリティーを上げるか」という観点で、用いるべき生成AIツールや、AIにどのようなテキストを投げかけるべきかといった極めて具体的なプロンプトテクニックを紹介する。

 これからの時代は、生成AIを使って従来の業務プロセスを刷新し、新たな事業価値を創出できるいわば“生成AIネイティブな組織”が高い競争力を発揮する時代になるはずだ。終章となる7章では、いかに自分たちの組織を生成AIネイティブなものにしていくか、具体的なステップやポイントについて解説した上で、経営層が見据えておくべき生成AIが浸透した時代の組織についての未来予想も提示する。

 これらの章を通じて、読者は単に生成AIに関する知識を得るだけではなく、その技術を自社の事業戦略や組織強化にどのように活用するかの具体的なイメージやガイドラインを得ることができるだろう。

 また、各章に付随する形で掲載しているコラムでは、本章の理解を深めるための補足的な内容もあれば、創造性や脳科学などの観点から生成AIについて考察したものもあり、読者の知的好奇心をくすぐる内容になっているはずだ。さらに、巻末特典では非エンジニアにも分かりやすい生成AIの技術解説、押さえておくべき注目の生成AI関連スタートアップリスト、AI関連ニュースレターのお薦めリストを掲載している。本書を読み終わった後にも学習やリサーチを深められるようにしているので、ぜひ読んでいただきたい。

 本書が、生成AI時代という荒波の中を進む皆さんの旅路において、進むべき道を指し示し、同時に勇気を与えてくれる良きパートナーになることを心から願い、本編へとつなげたい。

梶谷健人


【目次】

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