その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は藤吉豊さん、小川真理子さんの『 「聞く力のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 』です。
【はじめに】
本書は、「話の聞き方」をテーマにした名著「100冊」のエッセンスを1冊にまとめたものです。
「コンサルタントやアナウンサー、記者や経営者など、聞く力を大切にしている人が実践しているコツを整理してみよう」
「カウンセラー、精神科医など、より深い話を聞くことを生業(なりわい)としている人から、相手と向き合うときの心構えを学ぼう」
「コミュニケーションの専門家、ビジネスコーチ、心理学者などの意見も踏まえ、重要なコツから順に身につけてもらおう」
というコンセプトに従っています。
本書の制作にあたって、筆者の藤𠮷豊(ふじよしゆたか)と小川真理子(おがわまりこ)は、「話の聞き方」が学べる名著100冊を精読しました。その結果、「聞き手の反応で、相手の話しやすさや、話の深さが変わる」だけでなく、「話し方以上に、聞き方によって人間関係がよくなったり悪くなったりすること」「『聞く』という行為には、問題を解決したりビジネスを前に進める力があること」がわかりました。
「聞き方」には数多くの考え方や実践方法があり、会議・コーチング・教育・家族関係・雑談など、聞く力が必要とされる場面もさまざまです。
しかし100冊を読み込んでいくと、繰り返し語られている共通の考え方やノウハウがあることに気づきました。
聞き方の名著100冊に書かれてあったその共通のノウハウを洗い出し、ランキング化したのが本書です。本書では、その共通のノウハウを「大事な順」に紹介します。
◆ランキングの決め方
本書では、著者の多くが「大切だ」と考えている共通のノウハウを集めるために、次のような手順を踏みました。
(1)「話の聞き方」をテーマにした本を「100冊」購入
コミュニケーション、傾聴、質問、コーチングなどがテーマのベストセラー、ロングセラーを購入。選定基準は216ページ。
(2)どの本に、どんなノウハウが書かれているのかを洗い出す
100冊を丁寧に読み込み、ノウハウ(コツ・要点)を抜き出す。
(3)共通のノウハウをリスト化する
洗い出したノウハウを「似た内容(同じノウハウ)」ごとにリスト化。掲載されていた本の「冊数」を数える。たとえば、
●「意見が違うときの聞き方」について書いてあったのは、○冊
●「会話中の間(ま)のあけ方」について書いてあったのは、○冊
●「質問の仕方」について書いてあったのは、○冊……など。
(4)ノウハウをランキング化する
ノウハウを「掲載されていた冊数」によって順位付けする。
この手順で作成したのが、次のページのランキングです。
◆ランキングの活かし方と、本書の構成
100冊から抽出した40項目を、本書では3つに分けました。
●1~7位(➡Part.1へ)
多くの著者が「大切だ」と説く7つのノウハウ。「相手の意見を否定しない」「相づちを打つ」「間をあけて聞く」「オウム返しをする」など、基本となるルールが集まりました。
●8~20位(➡Part.2へ)
「1位から7位まで」を理解した上で、さらに聞く力を高めていくためのノウハウです。共感の示し方、自己開示の仕方、メモの取り方、質問の使い分けなど、日常の会話や仕事の対話に活かせる実践的なポイントを紹介します。
●21~40位(➡Part.3へ)
愚痴や悪口への対応、話しやすい場づくり、アイコンタクト、笑顔、電話での聞き方など、具体的な場面に応じたノウハウです。「20位まで」をおさえた上で取り入れてみてください。
本書において、筆者の藤𠮷と小川は、ナビゲーター役です。読者と同じ目線に立って、読者と同じ疑問を持って、100冊の要点を客観的に洗い出し、「大事な順」に並べました。
ただし、出来上がったランキングは、普段ライターとして多くの人の話を聞いている私たちにとっても、腹落ちする結果です。とくに1~7位のノウハウは、意識するだけで相手が安心して話しやすくなり、人間関係も大きく変わり始めます。
◆キーワード「共通のノウハウ」
「Aさんは『相手の意見をすぐに否定しないことが大切だ』と言っている」
「Bさんも、『相手の話を最後まで聞かずに反論すると、会話は深まらない』と書いている」
「Cさんの本にも、『自分と相手の考えが違っても、いったん相手の言葉を受け止める』とある」
「Dさんは、『聞き手が否定から入ると、相手は本音を話さなくなる』と説明していた」
「Aさんも、Bさんも、Cさんも、Dさんも、表現に違いはあるものの、『否定せずに聞くこと』の大切さを述べている。ということは、これは聞き方における共通のノウハウに違いない」
このように、「否定せずに聞くことの重要性」について複数の本に書かれていたら、それは、100冊の著者の多くが認めた「共通のノウハウ」です。
複数の本に同じノウハウが書かれてあるのは、「それだけ大事だから」です。
100冊の中に、「1回」しか紹介されていないノウハウは、「著者独自のノウハウ」「限定的な場面でのみ効果のあるノウハウ」の可能性があります。
100冊中「50冊」に書かれてあるノウハウと、100冊中「1冊」にしか書かれていないノウハウでは、「50冊」に書かれてあるノウハウのほうが汎用性・再現性は高い、つまり身につきやすく、真似しやすく、多くの人に役立つノウハウであると解釈できます。
また、本書は項目ごとに完結しているため、どこから読んでいただいてもかまいません。気になる項目から読んでも、1位から順に読んでも、それぞれのポイントを体系的に理解できます。
②相手の考えや気持ちを整理する手助けができる。
③会話がかみ合いやすくなり、コミュニケーションがよくなる。
④質問の仕方がわかり、相手の本音を引き出しやすくなる。
⑤相手から得られる情報が増え、自分のインプット量も増える。
⑥問題点や改善点に気づきやすくなる。
⑦聞き上手になることで、信頼や評価が高まる。
⑧チームメンバーの声の聞き方がわかり、組織力を高められる。
⑨すれ違いが減り、人間関係が深まる。
◆本書の対象者
本書は、業種や職種、年齢を問わず、「人の話を聞く機会があるすべての人」に役立つ聞き方のヒントをまとめています。
「聞き方の本はたくさんあり、どれを読んでいいかわからない」
「仕事の打ち合わせや面談で、聞き方に迷っている」
「聞きたいことがあっても、なかなかうまく聞き出せない」
「雑談など、相手と自由に話す場で会話が続かず、盛り上がらない」
「会話の途中の沈黙に耐えられない」
「人と話したり、いい人間関係を築くことに苦手意識がある」
「初対面の人とも臆(おく)せずに接することができるようになりたい」
「家族・友人・同僚との関係性をよくしたい」
「もっと安心して話してもらえる人になりたい」
本書が、こうした悩みを持つ方の助力となれば、これほどうれしいことはありません。
株式会社文道 藤𠮷豊/小川真理子
【目次】




