その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は青木さやか(著)、坂本綾子(監修)の『 貯蓄が苦手な人こそ読んでほしいお金の第一歩 お金まわりを見直したら人生が変わった 』です。

【はじめに】

50歳。貯蓄ほぼナシ。ここから私の「お金」への意識を変えていきます
50歳。貯蓄ほぼナシ。ここから私の「お金」への意識を変えていきます

 こんにちは。貯められない女、青木さやかです。いえ、貯めようと思ったことがないのかもしれません。20年前、私は北へ行っては「どこ見てんのよ!」南へ行っては「どこ見てんのよ!」を繰り返してお笑い芸人として大ブレイクし、数年間休みなくお仕事をいただいておりました。一時期は8000万円くらい、銀行にあった記憶は確かにあります。しかし、その時の貯蓄はほとんどなく。理由はいろいろ。その前に。

 私はだらしのないタイプで、ケチと思われるのを嫌うタイプでもあります。あればあるだけ使うことは得意。30歳で先の「どこ見てんのよ!」が超絶大ブレイクするまではバイト生活。バイト先も寝坊で各所クビになり、昼はパチンコ、夜は雀(じゃん)荘へ。ついに消費者金融を「ワタシの銀行」と名付けては自転車操業を繰り返し、借金およそ40万円。当時の私にとっての40万円は巨額です。返済のためにお金が必要だ、どうしよう。似たような仲間も多く、「自己破産したら?」とアドバイスされてみたり、一攫千金を狙ってガチ目のギャンブルをやってみようかと考えたり。心細くなれば、道路で拾ったレディースコミックの最後のページに載っていた「東北へ住み込みに行きませんか?3食支給、名前変えられます」という文句に心揺れたり。懇意にしてくれた中小企業の社長との結婚を本気で考えてみたり(付き合っていないし、プロポーズもされていない)。

 2003年、私は芸能界で売れました。

大ブレイクするも貯まらなかった理由

 お金はみるみるうちに銀行に貯まっていきました。本物の銀行に。そのときはなぜ貯められたのか。「休みがなかったから使う暇がなかった」。ただそれだけのこと。2000年台前半はまだネットショッピングも主流ではありませんでしたから。ほとんど休まず数年間で稼いだ数千万円。賃貸マンションはどんどん広くしていきました。芸人たちの間では「大きな家に住むと大きな仕事が来るぞ! うおー!」と昭和のジンクスがささやかれ続けており。100㎡以上、家賃30万円超のマンションに住みました。まあそれは構わないと思うのです。頑張ってきたご褒美でした。他にお金を使ったことといえば、家具、絵画、車、ぜいたくな旅、ギャンブル、知り合いにお金を貸した、別の知り合いにもお金を貸した、実家への送金、祖母宅の改築、寄付、分譲マンション購入、投資という名の詐欺、男に使うなど。

 しかしお金を貸すと、大体返ってきませんね。ギャンブルもやろうと思えば一瞬で大金がなくなります。私はギャンブルが大好きですが、際限なくやるのが、これまた得意。だって考えてみてください。どれだけ負けたとて、次の一手で倍になって戻ってくるかもしれないんですよ。話がずれますが、30年前。何故パチンコに行くためなら、朝、目覚ましをかけなくても起きられるんだろう、何故遅刻せず早朝から並べるんだろう、
と疑問に思い図書館で調べたことがあるんですね。そうしましたら、「次、かかるかも!」という興奮状態を感じると脳内麻薬が発生する、と書いてありましてね。なるほどと。近年ギャンブル依存性は脳の病気だと言われていますよね。やめられないわけです。だって、暖房のきいた部屋で命の危うさは全くないまま安全安心な場所に身を置きながら、非日常の興奮を味わえるわけですから。忘れられないんですね、あの興奮が。

 うまくギャンブルと付き合えるならやりたいところですが、ひとたび手を出せば際限なくなる自分の危険性を私は知っていますから、しばらく手を出してはいません。

 その代わりにやり始めたのが動物愛護活動。いいですよ、動物愛護活動は。いいことしてるなと自己肯定につながりますしね、活動の仲間でギャンブルの話をする人はいません。なんとも温かい、ぬるい話で全く興奮はできませんが、自分を変えたければ環境を変えるのが一番ですから。私にとって動物愛護団体は自助グループみたいなものですね。

 お金に関しても同じことです。

 『日経ウーマン』の世界に入り、ファイナンシャルプランナーの先生の話を聞き、どっぷりと身を置いてみる、ということが知らない世界を知る近道だと思うわけです。この連載がなければ、お互いに興味のない職業だったと思いますし、共通言語を探すほうが難しいと思います。

 人並みであることを避け、いかに興奮する日々を送ることができるのか、それはそれは大切に宝物のように「私って一般的じゃないから。そもそも一般的って何なんですか? そんなつまらない世界に引っ張りこまないでくれ!」と叫びながら生きてきたのですから。しかし、そうも言っていられなくなりました。

 お金が足りなくなってきたのです(残念)。

税理士さんの一喝で目が覚めた

 20年間お付き合いしている税理士さんから言われました。「青木さん、ものすごく売れていた時と今、収入が違うんですよ」「先生、さすがにそれは知ってます! 大丈夫、充実してます」「そういう話をしていません。収入が違うことはいいんです。一定ではないお仕事ですから。問題は」「はい」「収入があった時と今、同じくらいお金を使っているということです」「え! それはまずいでしょう」「はい、何年も言ってます」「聞いてませんでした」「今は聞いてますか?」「聞こえています…」

 近年の年収約800万円。爆発的に稼げればいいが、50歳でそこだけピンポイントで狙っていくのも綱渡り。「今の収入で貯蓄をしていくこともできますよ」というのが出ました。数々のベストセラーを出版し、〝お金のことならこの人に聞け〞。ファイナンシャルプランナーの坂本綾子先生。お金に明るいアラフィフ鈴木マネジャーは、私が貯蓄額や支出など、何も把握していないことに驚きを通り越して「すごいですね!青木さん! すごいですよ!」と、褒めてくれる始末。

 いったいここからどうなるのか。お金を貯めると何かいいことあるのかな。今日のところは、まな板の上の鯉(こい)。ほとんど理解せぬまま毎日の支出を書き出すことからスタートします。お金界隈に明るくない皆さん、今一度支出を見直しお金を貯めてみませんか?(お前が言うな)

【目次】

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