その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は塚本憲弘さんの『 資産運用の論点2026 』です。

【はじめに】

「2025年の株式市場は大きく上昇と報道されていたが、このまま放置でいいのか?」
「流行りに乗って生成AI関連ファンドに投資しているが、このままでいいのだろうか?」
「給与が物価上昇率に追い付いていないのだが、インフレに対応するには、どのようなポートフォリオを構築すべきなのか」

 この問いに、もしあなたが一つでも当てはまるなら、今こそ自身の「投資方針」そのものを見直すときかもしれません。

あなた自身の「投資の軸」を見直す

 スマホを開けば世界中の情報が瞬時に届き、便利な時代になった一方、地政学リスクやインフレ、物価高など、予測不能な事象も同じ速度で私たちに迫ってきます。このような時代においては、断片的な知識や過去の常識だけでは、大切な資産を守り、育てていくことは困難です。
 だからこそ本書は、単なる投資のテクニックを解説する本ではありません。あなた自身の「投資の軸」を見直し、再構築するための一冊です。

資産運用とは「未来に備える技術」である

 私はこれまで、信託銀行ではポートフォリオマネージャー、ファンドマネージャーを務め、プライベートバンクでは富裕層のお客様の資産運用の助言に携わってきました。そして、現在はマネックス証券にてアナリストとして、投資戦略の情報発信を行っております。そこで最も重視してきたのは、目先の利益を追いかけることではなく、いかなる市場環境の変化にも耐えうる、強固な「投資方針」をお客様と共に作り上げることでした。
 資産運用は、お金を増やすスキルにとどまりません。それは、自分や家族の将来をより安定させ、人生の選択肢を広げるための「手段」であり、「知恵」なのです。そして、その根幹をなすのが、あなた自身の価値観に基づいた、ブレない投資方針に他なりません。

あなたの投資ポートフォリオを「再設計」する

 本書は、私がプロの現場で培ってきたポートフォリオ構築の思考プロセスを、誰もが実践できるよう体系化したものです。初心者の方には「自分だけの方針をゼロから作るための設計図」として、経験者の方には「既存の投資方針をプロの視点で見直すための参考書」として活用いただけます。

本書の6ステップで、投資ポートフォリオを見直す

 本書は、以下のステップであなたの投資ポートフォリオの「再設計」を進めます。
【第1章:複雑化する世界と投資環境】 まず、世界情勢や経済構造の変化を俯瞰し、あなたの投資の前提が今も有効かを問い直します。
【第2章:2026年のマクロ経済・マーケット展望】 次に、2026年相場のマクロ経済の論点を把握し、そのうえでマーケットを展望します。
【第3章:資産運用を始める前に知るべきこと】 投資の基本原則に立ち返り、あなたの「目的」と現在の「手段」が本当に一致しているかを確認します。
【第4章:資産クラスとリスク特性を知る】 株式、債券からオルタナティブ投資まで、各資産の役割を学び、あなたのポートフォリオにおける意味を再定義します。
【第5章:ポートフォリオ構築と運用設計】 資産配分、リバランス、リスク管理といった実務的ノウハウを学び、あなただけの一貫した戦略を設計します。
【第6章:これからの資産運用と未来に備える】 最後に、長期的な視座を養い、変化に対応しながら学び続ける投資家としての姿勢を身につけます。

「予測」ではなく「耐える」という投資方針

 資産運用で最も大切なのは、「未来を正確に予測する力」ではありません。むしろ、予測が外れても耐えられる「仕組み」と「姿勢」を持つことです。市場が急落しても、「もうやめよう」と投げ出すのではなく、自分の決めた方針を信じて航海を続けられる強さ。それこそが、不確実な時代をしなやかに生き抜く力なのです。
 この本を読み終えたとき、あなたは日々のニュースに惑わされることなく、自信を持って自分の投資方針を語れるようになっているはずです。本書を通じて、未来に向けた確かな視点と行動力を手にしていることを願っています。

【目次】

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