その本の「はじめに」には、著者の「伝えたいこと」がギュッと詰め込まれています。この連載では毎日、おすすめ本の「はじめに」と「目次」をご紹介します。今日は藤野英人さんの『 「日経平均10万円」時代が来る! 』です。

【はじめに】

「日経平均10万円」。強気に見えるタイトルだと思いますが、そんな本書を手に取ってくださったあなたは、日本の未来をどんなふうにイメージしているでしょうか?
「少子高齢化がどんどん進んでいるし、最近は物価が上がってきて不安だし、明るい未来を思い描くのは難しい」「そもそも30年もの間、バブルのピークの株価も超えられていないのだから、日本株にはあまり期待できないのではないか」
 こんなふうに考えている方からすると、この本は「眉に唾をつけて読もう」という感じ かもしれません。
 一方で、2023年は日本株がずいぶん上昇しましたから、「新NISAも始まったし、投資に挑戦してみようか」「でも、ここまで相場が上がったところで投資を始めるのはタイミングが悪いかもしれない」などと逡巡(しゅんじゅん)している方もいるでしょう。
 本書のタイトルを見て、「日経平均が10万円になるなら、今から投資を始めるのはチャンスかも?」と半信半疑で手に取ったという人もいるかもしれません。

 ここで皆さんにはっきりとお伝えしたいのは、今の日本と世界の状況をさまざまな角度から深く分析した結果として、私が本気で「日経平均10万円時代」が来ると確信しているということです。

 私はファンドマネージャーとして33年にわたり日本株を中心に運用を行ってきました。2003年に創業した運用会社レオス・キャピタルワークスは、運用資産残高1兆円を超え、投資信託「ひふみ」シリーズはのべ126万人以上のお客様に保有していただくまでに成長しています。
 この間、私は日本の株式市場と対峙し続け、バブル崩壊からのデフレ経済への転換、リーマン・ショック、東日本大震災、コロナ禍などの中で多くの相場を経験しました。また、大きく伸びていく新興企業も、一時は栄華を誇りながら淘汰されていった会社も、数多く見てきました。
 その知見を総動員し、今、日本が30年ぶりのインフレ経済に突入しつつあるという状況、そして足元で起きているテクノロジーの急速な進化や地政学的な問題なども考え合わせたとき、「日経平均10万円」は必然だという結論に達したのです。

 今、日本は大きな転換点に立っていると私は考えています。
 詳しくは本編で追ってご説明していきますが、「日経平均10万円」はけっしてバラ色の世界というわけではありません。転換点の向こうで私たち一人ひとりがどのような選択をするかによって、未来は明るくもなれば厳しいものにもなりうるでしょう。
 そのような未来が見えているからこそ、今回、

・私たちを取り巻く経済環境がどのように変化しつつあるのか
・なぜ日経平均が10万円になると言えるのか
・その前提のもと、私たちがどのように動くべきなのか

 を多くの人にお伝えしたいと思い、本書の執筆を決めました。

 今は日本の未来に明るいイメージを持てていないという方、日本株にこれから投資していいのか迷っている方、新NISAスタートにあたって投資を始めるべきかどうか考えている方など、幅広い方にぜひ本書をお読みいただければと思っています。
 読み終えていただく頃には、きっと、明るい日本の未来をつくる企業群の存在にワクワクし、ご自身の未来を明るいものにするためにどのような行動が必要なのかがわかり、投資に対してポジティブな気持ちを持っていただけるのではないかと思います。
 もちろんこれまで株式投資に取り組んできた方にとっても、投資のあり方が根本的な変化を迫られる中、今後の投資方針を考える上で参考にしていただけるはずです。
 本書が、あなたが未来を選択する際の一助になることを願っています。

2023年12月 藤野英人


【目次】

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