「あなたの強みは何?」。考えれば考えるほどわからなくなり、どんどん自己嫌悪に陥っていく……。しかし実は、他者からは全然違う姿がみえていて、あなたが気づいていないだけなのだ。他者の視点を借りて自分の「強み」に気づくをコンセプトに著者が開発し話題のワークショップ「タニモク」。そのエッセンスを解説したのが新刊『かくれた「強み」をみつけよう。』(三石原士著)だ。『無敗営業』シリーズなどの著書があり、営業支援のコンサルティングを行いながら「人生のヒントがみつかる」をコンセプトにリアル書店の経営も手掛ける高橋氏が、その魅力を紹介する。
「仕事で成果をあげているのに、なぜか満たされない」
「自分にほんとうに向いている道がわからない」
「仕事はがんばっている。だけど、自分らしさがわからない」
モヤモヤしたこんな想いを、ビジネスパーソンであれば誰しも一度は感じたことがあるのではないでしょうか。本書は、そんな迷いや不安を抱えながらも、自分の強みをみつけて「はたらく」を前向きにしたい人に向けた一冊です。
本書で繰り返し問われるのは「あなたの強みは何か?」というシンプルな問いです。強みとはスキルや専門性に限らず、「想いや関係性を含めた資源を活かして生まれる価値や影響」と定義されています。良いものを持っていても発揮できなければ強みにはならない。しかし多くの場合、強みは自分にとって当たり前すぎたり、弱みに意識を奪われたりして「かくれている」。そのため自己分析だけではみつけにくく、著者はこれを「自己分析の沼」と呼んでいます。
そこで本書が提案するのは「人に聞いてみる」こと。しかも、よく知る相手ではなく、あえて距離のある人に問いかけることによって、自分では気づけなかった強みが浮かび上がります。
後半で紹介されている「タニモク」は、他人に目標を立ててもらうユニークなワークです。人生の大事なテーマを思い切って他人に委ねることで、新たな強みやキャリアのヒントがみえてきます。私自身も参加しましたが、特に印象的だったのは「初対面なのに深く踏み込んだ対話ができる」点でした。「もし私があなたの立場だったら」といった対話の形式が用意されていることで安心して語れ、思いがけない強みが自然にあぶり出されていくのです。予想外なのに妙に納得感がある――これこそがタニモクの魅力です。
自分と他人の程よい距離感を通じて強みを発見する――この体験は、多くの人にとって貴重な機会になるのではと思います。
