大型連休の時間を活用して、組織や個人の成長に向けた知識を習得してはいかがでしょうか。今回紹介するのは、日経BPの経済メディア「日経ビジネス」発の10冊。書籍の編集を手掛ける「日経ビジネスクロスメディア」の白壁達久編集長が自信を持ってお薦めする新刊を、経営者向け×個人向け、洞察を深める×視野を広げるの2つの軸で、4つの象限に分けて紹介します。
4象限を区分する1つめの軸は「企業経営」と「パーソナル」です。日経ビジネスが得意とする企業経営に特化した書籍と、個人の成長を後押しするものとで分けました。もう1つの軸は、「洞察を深める」と「視野を広げる」です。
徹底した深掘りで、既存の組織や考えを理解し、その中でいかに変革を起こすかをテーマにした書籍と、新たな分野を切り開くことを主眼に置いた書籍に分けました。
視野を広げる経営書4選
最初に紹介するのは、『 NVIDIA大解剖 AI最強企業の型破り経営と次なる100兆円市場 』です。時価総額で米アップルを一時上回り、世界トップにもなった米半導体大手のエヌビディア。
業績動向で世界のマーケットが大きく動くまでに成長した同社経営の強さの真髄を、ジェンスン・ファンCEO(最高経営責任者)への単独取材も交えて深掘り。経営と技術の両面から世界最先端の企業を理解できる1冊です。
日経トップリーダーや日経ビジネス電子版で人気が高い高杉康成氏の連載を書籍化した『 キーエンス流 性弱説経営 人は善でも悪でもなく弱いものだと考えてみる 』は、昨年12月の発売後から書店やネットで話題となり、増刷を重ねて現在は7刷、累計3万部のベストセラーです。
独特な経営手法で高収益をあげ続けるキーエンス。ベールに包まれたその強みを、同社出身で経営コンサルタントの高杉氏が解き明かします。その鍵となる言葉が「性弱説の視点」。善悪ではなく、弱さを基準に経営を効率化していくキーエンスの手法を具体的に解説します。
視野を広げる書籍として、次に紹介するのは『 GX グリーントランスフォーメーション 経営大全 150兆円市場の道しるべ 』です。10年で官民合わせて150兆円に及ぶ市場が見込まれるGX。企業の成長に取り込みたいけれど、横文字が多く、制度が複雑で分かりにくい。そう悩む方は少なくないでしょう。
本書は、日本経済新聞の専門メディアである「NIKKEI GX」が、必須の厳選キーワードと企業の導入事例をふんだんに盛り込んだ1冊。初心者から担当者、経営幹部に至るまで、GXを企業や個人の成長に取り入れたい人にお勧めの本です。
2025年7月、沖縄に新たなテーマパーク「ジャングリア沖縄」がオープンします。仕掛け人はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)再生の旗手としても知られる森岡毅氏です。
あらゆるパークの再生を手がけ、結果を残す。森岡氏と、彼が率いるマーケティング会社の刀(大阪市)はなぜ、停滞市場でも結果を出せるのか。その真髄に迫った1冊が『 森岡毅 必勝の法則 逆境を突破する異能集団「刀」の実像 』です。限られたリソースで最大限の結果を出す、森岡氏と刀が独自に編み出した「必勝の法則」を、10年以上森岡氏の取材を続ける中山玲子・日経ビジネス副編集長が書き下ろしました。
洞察を深める経営書3選
5月9日に発売予定で、現在絶賛、予約受け付け中の新刊が『 世界標準の採用 』です。前著『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』(フォレスト出版)が5万部を超えるベストセラーになった小野壮彦氏の新刊です。小野氏は世界的なエグゼクティブ・サーチ・ファームで経営層に特化したヘッドハンティング業務に携わったほか、起業やプロ経営者も経験し、現在はスタートアップの成長支援などを手掛ける人材・組織のプロ。
世界のトップ企業がどのようにして「劇的な違いを生む人材」を採用しているのかを解き明かします。500ページを超える採用本の決定版とも言うべき1冊です。
トランプ氏が米大統領に返り咲き、再び世界で関税戦争が勃発しました。日本企業はどのように備えるべきなのでしょうか。日経ビジネス電子版で「深層パワーゲーム」を連載中の細川昌彦氏が筆を執り、『 トランプ2.0 米中新冷戦 予測不能への備え方 』を緊急出版しました。
経済安全保障の専門家として長年、経済の武器化に警鐘を鳴らしてきた細川氏。これまでの経緯や今後の展開を踏まえ、日本企業が進む道を指南する必読の書です。
1980年代のバブル経済絶頂期、時価総額世界トップだったNTT。その後、「失われた30年」の間に米中の新興企業が追い抜かれた巨大艦隊が今、変革に向けて動き出しています。NTTドコモを子会社化し、グループで大規模な再編を仕掛けています。また、NTTが仕掛ける次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」では、かつて失敗に終わった「iモード」の反省を踏まえ、ソニーグループや米インテルなど国内外で世界企業とタッグを組みました。
JTC(伝統的日本企業)の代表格でもあるNTTはどのようにして変わろうとしているのか。『 NTTの叛乱 「宿命を背負う巨人」は生まれ変わるか 』は、通信分野を20年以上取材し続ける堀越功・日経ビジネスLIVE編集長がNTTグループを徹底的に深掘りした1冊です。
個人の成長を後押しする3冊
『 宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたを伸ばす部下、つぶす部下 』は、『 宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み 』『 宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたを引き出す自己分析 』に続く、人気のFFS理論シリーズ第3弾です。ストレス理論をベースに研究されたFFS理論。環境や刺激に対する感じ方や捉え方を5つの因子に分類します。本書の読者は無料で診断が可能な特典がついています。
部下はあなたをどのように見ているのか。あるいは、どのような部下が「あなたを上司として育てるのか」を知ることができる書籍です。
3月に発売されたばかりの新刊『 まさか私がクビですか? なぜか裁判沙汰になった人たちの告白 』は、日経電子版の人気連載「揺れた天秤~法廷から」の好評回を選りすぐって収録しています。洗剤の試供品を持ち帰ったら「窃盗」扱いを受けて解雇された銀行の副支店長。積水ハウス「地面師事件」にソフトバンク部長の隠れ副業など、法廷で明かされた「本当にあった怖い話」を多く収録しています。
日経新聞社会部が手がけるリーガル・ノンフィクションで、身につまされつつ学びを得てはいかがでしょうか。
最後に紹介する『 上司に「介護始めます」と言えますか? 信じて働ける会社がわかる 』は、日経ビジネスが24年に特集した「介護離職クライシス その支援策では救えない」をベースにした書籍です。
22年にベストセラーとなった『 親不孝介護 距離を取るからうまくいく 』で共著の川内潤氏と、「編集Y」でお馴染みの山中浩之日経ビジネス・シニアエディターが手がけたシリーズ第3弾は、「経営目線で考える初めての介護本」です。経営者や人事関係者、そして介護世代の会社員必読の書です。
以上、10冊を紹介させていただきました。いかがだったでしょうか。日経ビジネスはこれからも、経営に役立つ、あるいは個人の成長を後押しする書籍を生み出していきます。どうぞご期待ください。

[日経ビジネス電子版 2025年4月29日付の記事を転載・一部再編集]
