高津尚志氏が、著書『 世界の経営幹部はなぜ日本に感化されるのか 伝統文化の叡智に学ぶビジネスの未来 』のプロローグを朗読します。
【動画】高津尚志が朗読『世界の経営幹部はなぜ日本に感化されるのか』
【プロローグ】
トップビジネススクールが、いま日本からなにを学ぼうとしているのか?
禅、生け花、合気道、日本酒──。
これらの文化は、そもそも日本で生み出されて、あるいは日本に伝えられて日本に根付き、長い年月をかけて日本で洗練されていったものである。
さて、これらは、一部の限られた人々の趣味や嗜(たしな)みとしてのみ、受け継がれていくべきものだろうか。
あるいは、日本を訪れる多くの旅行客を魅了し、ひと時の驚きや感動をもたらす、観光資源として愛(め)でられればよいものだろうか。
そうではない、と私は考える。
これらは、難しいこの時代を生きる世界中の私たちに、代替的な在(あ)り方・生き方・歩み方を示してくれる、豊かな智慧(ちえ)の源泉だ。
それは個人の在り方・生き方から始まり、チームや組織の導き方、ライバルとの対峙の仕方、苦難との向き合い方、社会や環境との共存の進め方に至るまで、実に多様で豊富で、応用可能な教訓を与えてくれるものだ。
これらの教訓は、少なくともこの数十年、この世界、特に経営や経済の領域で私たちの多くが学び、支えにしてきたものとはどこか違っているところもあり、だからこそ、私たちにオルタナティブ(代替性)を提供しうるものとなる。