「子育てに大切なことは、タッチケアにつまっている」。そう語るのは2900組以上の親子にタッチケアを伝えてきた小堺友美さん。毎日が忙しすぎて、子どもとの関係に漠然とした不安を感じているなら、まずは「ふれあい」から見直してみませんか? 本書『タッチケアの魔法』は、山口創さん(臨床発達心理士)を監修に迎え、その科学的な効果を解説。今回はタッチを通して子とどう向き合うかについて、本書から一部抜粋し、ご紹介します。

「忙しくて子と向き合えてない」、もう悩まなくても大丈夫

(写真:west_photo/stock.adobe.com)
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 子育ての中で、「子どもと向き合いましょう」という言葉をよく耳にします。
 また、「積極的傾聴(アクティブリスニング)」、つまり子どもの気持ちや意図をしっかり受け止め、真剣に話に耳を傾けることの重要性もよく語られます。

 では、そもそも「向き合う」とは、どういうことでしょうか。

 私が思う「向き合う」とは、未来への不安や過去への後悔をいったん脇に置き、子どもの気持ちに寄り添いながら話を聞くことや、子どもの行動の裏にある思いを汲みとろうとすること。そして親自身の気持ちも素直に伝えることだと考えています。

 しかし、忙しい日々の中で「子どもとしっかり向き合いたい」「話を聞いてあげたい」と思っていても、なかなか実践できず難しさを感じることもあるでしょう。

 そんなとき、タッチがいつもの3分を「やさしい3分」に変えてくれます。
 タッチの効果で、お互いがリラックスでき、心がほぐれ、自然と子どもに寄り添い、子どもの声に耳を傾けやすくなる余裕が生まれます。

 24時間のうちの「やさしい3分」タッチ。
 この時間を意識してつくることで、子どもはありのままの自分が愛されていることを深く感じられ、安心感を抱けます。言葉以上に心のつながりを感じ、人としての根源的な幸せを味わえる濃いひとときを日々の生活にとり入れることができるのです。

親子がお互いを尊重し、大切にし合うために

(写真:polkadot/stock.adobe.com)
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 そして、親も、「自分は子どもとちゃんと向き合えている」「愛情を手渡せている」という自信をもつことができます。

 日常の忙しさは簡単に変えることはできません。
 でも、1日たった3分で子どもも親自身も大きく救われるのです。イライラやガミガミといった反省の悪循環からも、親子で驚くほどすんなり抜け出すことができます。

 でも、もし子どもが望まなかったら「わかったよ、今日はしないね」と潔くやめることも、あわせて大事にしてください。それもすべて、子どもを尊重した大切なコミュニケーションです。
 子どもは、そんな対応からも、「自分は大切にされている」と感じることができます。

 そして、もしみなさん自身が、「今日は疲れてしまっていてできない」というときも無理をしないでください。
 お子さんがタッチを求めてきたときでも、目を見て「今日はとても疲れちゃったから、やってあげたくてもできないの。でも明日ならできるよ」などと自分の気持ちも素直に伝えてみましょう。

 お互いに、それぞれの気持ちをもったひとりの人として、率直に伝え合い、折り合いをみつけていくことも、これからの心地よい親子関係を築いていくうえで必要なことです。

(写真:yamasan/stock.adobe.com)
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タッチケアとは、肌と肌のふれあいを通じて心身のリラックスを促し、深い安心感と癒やしを届けるケア方法です。特別な道具も場所も必要のない「ふれる」という行為は、実は人間にとって最も原始的で、かつ最高のコミュニケーションなのです。その効果は世界各国の研究で科学的にも証明されており、単なるスキンシップを超えた「心身を整える技術」として注目されています。日々の何気ないタッチを通じて、親子のふれあいをかけがえのない記憶、そしてお子さんの一生を支える心の宝物にしていきましょう。

小堺友美(著)、山口創(監修)/日経BP/1760円(税込み)