「子育てに大切なことは、タッチケアにつまっている」。そう語るのは2900組以上の親子にタッチケアを伝えてきた小堺友美さん。毎日が忙しすぎて、子どもとの関係に漠然とした不安を感じているなら、まずは「ふれあい」から見直してみませんか? 本書『タッチケアの魔法』は、山口創さん(臨床発達心理士)を監修に迎え、その科学的な効果を解説。今回は具体的なタッチの実践について、本書から一部抜粋し、ご紹介します。
目を見て両手をつないで「おはよう」「おやすみ」を伝える
子どもにとって「おはよう」や「おやすみ」は、安心を感じられるとても大切なものです。指示や注意を受けると、緊張したり自信を失ってしまうこともありますが、挨拶のようなフラットなやりとりは、「受け入れられている」と感じられるからです。
そこで、朝や寝る前などにしっかり目を見て、両手をやさしくつないで「おはよう」「おやすみ」と伝えてみることがおすすめです。とくに幼児期~学童期のお子さまに楽しんでもらいやすいタッチです。
このようなシンプルなふれあいでも、親子双方の心があたたかくなり、オキシトシン(愛情ホルモン)の分泌も促されると言われています。
また、どんなに忙しい日でも、たったひと言の挨拶やタッチで「あなたをちゃんと見ているよ」というメッセージを届けることもできます。
子どもが成長し、勉強や習い事などで忙しくなっているときこそ、「おはよう」や「おやすみ」でゆっくりと目を合わせ、つながりを感じてみましょう。
お互いにパワーチャージできる「お守りタッチ」
幼児期や小学校低学年の子どもは、環境が変わったときなどに、何か「お守り」があると、大きな安心感を得られ、「大丈夫だ」と頑張る力が湧いてくることがあります。
そこで、ものでなくても、できるだけ視覚化して、お母さんお父さんの愛を「お守り」のような形で渡せる方法もおすすめです。とくに幼児期~学童期(低学年)のお子さまに楽しんでもらいやすいタッチです。
少しの工夫や意識が、子どもにとって大きな支えになることがあります。ちょっとしたことでも、特別な約束や、ふたりだけの秘密のようなことは、とても嬉しかったりします。
タッチで手のあたたかさを感じるだけでも、お互いに安心感を得られます。
お守りタッチをすることで、「保育園に行きしぶっていた息子に元気が出て、気持ちを切り替えて行ってくれました」というお声もいただいています。親にとっても、小さくてふっくらした可愛い手にふれることで、パワーチャージの時間になります。
やさしい気持ちで満たされる「ありがとうタッチ」
「ありがとう」という言葉は、誰もが言われて嬉しい言葉。
人と気持ちのよい関係を築いていくうえでも欠かせない言葉です。
「ありがとう」と伝え合うことで、お互いを尊重し合う関係が生まれ、言う側も、言われる側も、自然と心が満たされ幸せを感じやすくなります。また、自尊心も満たされます。
「ありがとうタッチ」は、そんな素敵な「ありがとう」という言葉を、目を見て伝えながら、子どもがふれてほしいところをなでさするタッチです。
特に、寝る前に行うと、心地よい気持ちで1日を終えることができ、幼児期~学童期のお子さまに楽しんでもらいやすいタッチです。
マッサージの手技を覚える必要もなく、なでさするだけですが、ありがとうタッチをしていくと、親自身も子どもの体の一つひとつのパーツに感謝の気持ちが湧いてきます。「元気でいてくれてよかったなぁ」とあらためて感じられたり、「こんなに体が大きくなって筋肉もついたのね」と気づけたりします。
また、子ども自身も、自分の体がとても大切でありがたいものだと感じられるようになります。
もしかしたら、子どもに対して「大好きだよ」という言葉で素直に愛情を伝えるのが苦手な方もいらっしゃるかもしれません。
そんなときも、「ありがとう」であれば言葉にしやすいのではないでしょうか。
「ありがとう」も言いにくい方は、「おつかれさま」という言葉に変えてタッチをするのでもいいですね。
学童期のお子さんは、寝る前に「おやすみ」と言うタイミングと合わせて、このタッチを少しとり入れてみるのもいいですね。自分たち親子にとって、いちばんよい言葉や方法をぜひみつけてみてください。
必ず知ってほしいタッチケアで大切なこと、注意すべきこと
タッチケアは、安らぎを与える一方で、子どもや親の気持ちや状況によっては、逆効果になるときがあります。そのため、次のことを守って行ってください。
【タッチケアで大切にしたいこと】
- ひとりの人として尊重し、子どもの気持ちを大切にする。タッチの前には、必ず許可を得る
- 心を込めてやさしく丁寧にふれる
- ふれあっている今を、ただ感じる
【タッチケアで注意すべきこと】
- 子どもがしたくないとき、やめてほしいとき(子どもの意思が大前提)
- 親がしたくないとき、リラックスできていないとき
- タッチの許可がとれないとき(眠っているときなど)
小堺友美(著)、山口創(監修)/日経BP/1760円(税込み)





