生成AIで、多くの基本的な仕事ができるようになった今。あらゆる職業で、人間ならではのクリエイティビティを発揮することが、ビジネスパーソンとしての付加価値になっているのではないでしょうか。「言われた仕事をこなすのは得意だけれど、創造的な仕事を生み出すのは苦手」。そんな人におすすめの本を5冊、厳選しました。

1. 『日清食品をぶっつぶせ 自ら創造し、自ら破壊せよ』

安藤徳隆、竹居智久 著

 なぜ日清食品のCMはクセになるのか。なぜ日清食品はいつも「ユニーク」でいられるのか。本書は、日清食品社長・安藤徳隆氏の初の著書です。

 マーケティング、新規事業、自らの原動力、3代目としての覚悟…新世代の経営者が、自らの思いを包み隠さず語っています。今の日本企業が目指すべき“非連続な成長”の答えが、この本にあるかもしれません。

 日本の大手企業で、本気でクリエイティブな仕事に取り組んでいるその中心にいる人物の声を聞けるというだけでも、読む価値がある一冊です。

  • カレーメシ誕生の舞台裏
  • クリエイティブディレクター 佐藤可士和氏の視点
  • クセになるCMの設計術
  • 徹底的に受け手目線 「守りの姿勢」なし
  • ジャムセッションで社員の「報酬系」を回せ

2. 『超凡人の私がイノベーションを起こすには ストーリーで読み解く「理論×実践」』

杜師康佑 著

 15年間ビジネスに関する取材をしてきた日本経済新聞の記者が、自らの目で見たイノベーションの実践知をまとめた本書。

 著者自身が「他の人の頑張りを横目に見ているだけで、自分自身が何かを成し遂げているわけではない」というコンプレックスを感じていたからこそ、取材だけではなく学問の面からも徹底的に「イノベーションとは何か」について突き詰めたそう。

 実は、イノベーションには“再現可能な型”があるといいます。著者が得た理論と実践の知見を、「誰もが」「凡人でも」創造的になれるよう分かりやすく説明した一冊。あなたにとっては雲をつかむように思えるクリエイティブな仕事の成果も、一歩ずつ進めば手が届くかもしれません。

  • イノベーションのための4つの思考法
  • アウェイに飛び出す 「何もできない自分」の変え方
  • エースがいなくても成功する イノベーションが続く組織づくり
  • 社会課題がビジネスを産む
  • イノベーションの最前線 日本企業が描く未来戦略

3. 『創造する人の時代』

茶谷公之 著

 著者は、ソニー歴代プレイステーション開発責任者。「『何かをつくれる』人が生き残る」と説きます。

 生成AIを使うことが当たり前になった今、人間だけのスキルは「ものをつくること」。どんなジャンルでも、どんな場所でも「ものをつくれる人」は重宝されるはずです。現代は誰でも手軽に、初期費用も少なくものづくりができるようになり、その実現可能性も高まっています。

 著者いわく「『高齢化社会』も『AI社会』も、たくさんのビジネスチャンスが転がっている」とのこと。本書は思考プロセスやAIとの付き合い方、組織の動かし方など、あらゆる側面からものづくりのコツを教えてくれます。「ものをつくれる人」になって、キャリアや人生の選択肢を広げてみませんか。

  • チャンスをつかむにはネアカであること
  • 「知識」より「やってみること」の方が数倍価値のある時代
  • 雑談は、アイデアをブラッシュアップするための重要な要因
  • ヒットはこれまでのものを組み合わせてできる
  • 形骸化しているルールやかつてのヒット商品は壊すべき

4. 『マーケティングとクリエイティブをもう一度やり直す 大人のドリル』

海老原嗣生 著

 「話がうまく伝わらない」「企画書に何を書いたらいいのだろう」「いい発想が浮かばない」──。ビジネスパーソンの多くは、そんな悩みを抱えています。これらの悩みに共通するのは「何を伝えたいのか」、すなわち「コンセプト」が欠けていることです。

 マーケティングの教科書やMBAの授業でも、コンセプトやマーケティング、クリエイティブについて学ぶことはできますが、実践で使いこなすまでには、なかなかたどり着けないもの。

 本書はマーケティングとクリエイティブの本質を、身近な事例だけでなく実践的なワークも通じて、スムーズに腹落ちさせることができます。あらゆる人が「コンセプトのつくり方」を学べば、日々の仕事の質を劇的に改善することが可能。この本は、最短の時間でそのエッセンスを与えてくれます。

  • 会議、営業、企画、そして夕食の支度にさえすぐに使える「クリエイティブの作法」
  • 無印良品がブランドとなり、無敵の存在に上り詰めた理由
  • コンセプトを失った企業、取り戻せた企業
  • フレームワークで情報整理
  • 競合の置き方でも新機軸は見出せる

5. 『世界のトップマーケターだけが知っている「12の成功法則」』

トーマス・バルタ、パトリック・バーワイズ 著、田中恵理香 訳

 クリエイティブなもの(広告など制作物)をつくり、CPA(顧客獲得単価)の増減を点検する。いずれも重要な仕事だが、次のリーダーを目指すマーケターは、その範囲で満足していていいのか──。本書は、このような疑問を投げかけます。

 キンバリー・クラークやマッキンゼー・アンド・カンパニーといった大企業を経て、現在はマーケティングとリーダーシップの専門家として活躍するトーマス・バルタ氏が、世界6万8000人を対象とした大規模調査の知見に基づき、成功するマーケティングリーダーが実践していることを「12の成功法則」にまとめて明らかにしています。

 マーケティング業務のノウハウを伝えるだけではなく、デジタル・AI時代を生き抜くための行動原理となる思考法も教えてくれる、リーダーシップ本です。

  • 大きな課題のみに取り組む
  • 社内を歩き回る
  • あなたが最初に行動する
  • 結果に基づいて話をする
  • 人を鼓舞する方法を知る

構成/大松佳代(日経BOOKプラス編集)