成果を出し続けるリーダーは、3つのアクションに注力しています。それは、「信頼関係を築き、人間関係の悩みを解消」「任せ方を磨き、マネジメントと育成を両立」「自走するチームを育て、持続的な成長と成果をもたらす」です。では具体的にどう行動すればいいのか? 連載第6回は「成長につながる失敗」について。『一流のマネジャー945人をAI分析してわかった できるリーダーの基本』(越川慎司著/日経BP)から抜粋・再構成してお届けします。
どうしたら「成長」できるのか?
「失敗は避けるべきもの」
この思い込みが、実は若手の成長を阻害していたことがわかりました。
成功体験を重ねるOJT(On-the-Job Training=職場で実際の業務を通じて行う教育訓練)では、わずか29%しか期待する成長が得られなかったのです。
一方で、意外にも「うまくいっていないプロジェクトこそ、最高の学びの場」と発言する優秀なリーダーが多くいました。
ある製造業のベテランリーダーは、こう語ります。
「最初は不安でした。
苦戦しているプロジェクトに若手を投入することへの懸念もありました。
でも、経験豊富なメンターを付けることで、
むしろ通常以上の成長が見られたんです」
メンターの存在が成長を促す
なぜ、うまくいっていないプロジェクトが「最高の学びの場」になるのでしょうか。
その理由は3つあります。
1 リアルな学びの機会を得る
● 実際の課題に直面する
● 本質的な問題解決を体験する
● 成功の裏にある苦労を知る
2 失敗しても安全な環境を経験する
● メンターのバックアップがある
● 適切なアドバイスを得られる
● 孤立を防げる
3 深く理解できる経験を得られる
● なぜ、うまくいかないのかを考える
● 複数の解決策を検討できる
● 失敗から学ぶ習慣が身につく
特に注目すべきは、メンターの存在です。
弊社が2019〜2024年に実施した「プロジェクトマネジメントに関する調査」(対象537社)では、メンターなしで困難なプロジェクトに参加させた場合、30%以上が離脱していることが明らかになりました。
一方、適切なメンターが付いた場合、離脱率は5%以下まで低下したのです。
ある設計会社のリーダーは成功事例についてこう語ります。
「大切なのは、メンターの選び方です。単なる経験者ではなく、
『失敗を学びに変える』という意識を持った人材を選ぶことで、
若手の成長速度が劇的に変わりました」
では、「失敗を学びに変える意識を持った人材」とは、具体的にどのような行動をする人なのでしょうか。
ここで、重要となる「メンターの役割」について紹介します。
「いいメンター」は、メンバーと次のように関わります。
● 答えを教えるのではなく、考えるヒントを与える
● 失敗を責めるのではなく、学びに変換する
● 指示するのではなく、気づきを促す
このような関わり方が人の成長を促進するのです。
もちろん、うまくいっているプロジェクトでの成功体験も大切です。
しかし、人が成長するためには、困難に直面し、それを乗り越えるプロセスを経験することが大切です。そしてその過程で、メンターが、挫折や逆境を成長に変える伴走者の役割を果たすのです。
越川慎司著/日経BP/1980円(税込み)



