お客様に対して「○○をお探しでございますか」、上司に対して「さすが上手ですね!」「知ってましたか?」――日常でつい使っている人も多いのでは? でもこれ、実は間違い敬語なのです。正しい言い方は…。“敬語の達人”本郷陽二さんの著書『 決定版!大人の語彙力 敬語トレーニング125 』(日経ビジネス人文庫)から抜粋と3コママンガで紹介します。

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Q1 よく耳にする敬語。どこがヘン?

 次の文章はどこか敬語の使い方がヘンです。間違っている箇所を正しく直してください。

(1)当社ホームページを拝見してください
   ➡[              ]
(2)あちらの窓口で伺ってください
   ➡[              ]
(3)こちらの部屋でお待ちしてください
   ➡[              ]
(4)子供服をお探しでございますか
   ➡[              ]
(5)会長がお帰りになられました
   ➡[              ]

<答えと解説>

(1)×「拝見してください」 → ○「ご覧ください」
 「拝見」とは、「見る」の敬意の高い謙譲語。お客様に「自分の会社のホームぺージを見てください」と言っているのだから、「見る」の部分を、尊敬表現の「ご覧になる」にする。

(2)×「伺ってください」 → ○「お尋ねください」
 「伺う」は「聞く」「尋ねる」「訪ねる」の謙譲語で、「いくつか伺ってもよろしいでしょうか」「先生のお宅に伺いました」など、自分の行為に対しての言葉。「伺う」のあとに「~してください」と続けて、相手に対して使うことはできない。

(3)×「お待ちしてください」 → ○「お待ちください」
 「お待ちして」は、「お見えになるのを心よりお待ちしておりました」のように自分の行為に対しての謙譲語。この場合は「お待ちして」の「して」の部分を除いて「お待ちください」とするのが正しい。

(4)×「お探しでございますか」 → ○「お探しですか」
 「ございます」は「ある」の丁寧語で、「こちらにございます」「粗茶でございますが」のように使う。丁寧語「ございます」を相手の行為に対して用いるのは誤り。

(5)×「なられました」 → ○「なりました」
 「お帰り」がすでに尊敬語になっているため「なられました」と重ねて尊敬の表現をする必要はない。

Q2 上司への報告、どう言い換えればデキる人?

 仕事には上司への報告や相談がつきもの。そんなとき、きちんとした敬語を使いたいですね。次の例文の太字部分はどのように言い換えたらいいでしょう?

(1)部長はそのことを知ってましたか?
   ➡[              ]
(2)もう聞いていると思うのですけれど
   ➡[              ]
(3)取引先の部長さんに書いていただきました
   ➡[              ]
(4)うわさで聞いたんですけど
   ➡[              ]
(5)私も困っているんです
   ➡[              ]

<答えと解説>

(1)ご存じでしたか?
 「知っている」は普段の言葉。上司と話すときは常に敬語を心がけなくてはならない。「知っている」の尊敬語「ご存じ」にしよう。

(2)お聞き及びのことと存じますが
 「聞き及ぶ」とは、すでに聞いて知っているという意味。「聞いている」と意味は同じだが丁重さには格段の差がある。「思う」を謙譲語である「存じます」に直すことによって、より一層かしこまった言い方となる。

(3)部長
 「部長」という肩書には敬称の意味が含まれているため、「さん」や「様」を付けると敬称が重なってしまう。「○○部長」「部長の○○様」という言い方が正しい。

(4)仄聞(そくぶん)するところによると
 「仄聞」とは、うわさなどで少し耳に入ったり、人づてにちょっと聞くという意味の語。「うわさ」という言い方に比べると、ぐっとかしこまった印象になる。

(5)困惑しております
 同僚や部下などに話すのなら「困っている」を用いてもいいが、上司の場合はもう少し改まった表現にしたい。また、上司の助けが必要なときは、「私も困惑しておりまして、お力添えいただけないでしょうか」などとすると、より丁重な表現になる。

マンガ/坂木浩子(株式会社ぽるか) マンガDTP/ホリウチミホ(nixinc)

本書は大人のための敬語ドリルです。ビジネスシーンごとに、まずは問題(クイズ)を解き、その後、解説をチェック。解説を読めば誰でもラクラク、敬語とそれにまつわる語彙力を身に付けることができます。

本郷陽二著/日本経済新聞出版/935円(税込み)