本の要約サービス「flier(フライヤー)」が3400冊超の要約の中から、様々なテーマに沿った「おすすめ本」を紹介します。今回は2023年のビジネス分野で注目すべきトピックスを振り返りながら理解を深めつつ、2024年への学びとしたい本を。厳選の5冊です。

 新型コロナウイルスが「5類」に移行し、日常が戻ってきた2023年。
 野球日本代表「侍ジャパン」のWBC優勝や、バスケットボール日本代表「アカツキジャパン」の48年ぶりの自力での五輪出場決定、将棋の藤井聡太が8大タイトルを全て制覇するなど、その活躍ぶりに多くの人が熱狂しました。
 一方で、昨年から続くロシアのウクライナへの軍事侵攻に加えて、イスラエルとイスラム組織ハマスとの間でも武力衝突が発生。さらに、気候変動による異常気象で“地球沸騰化時代”が到来するなど、多くの問題に直面した一年でもありました。

 そんな中、ビジネスに関わる事柄についても、様々な変化や新たな動きがありました。今回は、2023年のビジネス分野における注目トピックスを振り返りながら理解を深めつつ、2024年への学びとしたい本を5冊、本の要約サービス「flier(フライヤー)」が現在公開している3400冊超の要約の中から厳選しました。

『ChatGPT快速仕事術』(田口和裕、森嶋良子、いしたにまさき、古川渉一:監修/インプレス)

 OpenAIがChatGPTを公開したのは2022年11月。瞬く間に世界中で話題となり、2023年1月にはユーザー数が1億人に到達しました。この1年で「ChatGPT」という言葉は世の中に広く浸透しましたが、ビジネスで活用している人の割合はまだまだ低い状況です。
 そこで、2024年こそは使いこなしたい!という人にオススメなのが『ChatGPT快速仕事術』です。本書では、ChatGPTの基本的な使い方からビジネス文書の作り方などについて、分かりやすく解説されています。
 活用することで業務の効率化につながり、働き方の改善にもつなげることができるChatGPTを味方に付けて、公私ともに充実した一年を実現しましょう。

『新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング 【実践編】』(後藤宗明/日本能率協会マネジメントセンター)

 岸田首相の「リスキリング支援表明」から約1年がたちましたが、日本企業ではまだまだ浸透していないのが現状です。また、リスキリングの定義があいまいなまま、時に生涯教育的な「学び直し」と混同して使われることもあり、議論がかみ合わなかったり、深まらなかったり。言葉だけが一人歩きしている印象はぬぐえません。
 そこで一読を勧めたいのが、『新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング 【実践編】』。本書では、リスキリングの意味を「企業が主体となって、従業員に成長機会を与える取り組みである」と明確に定義し、経営陣や従業員に求められるスキルやマインドセットのポイントを分かりやすく解説しています。
 これからの時代の変化に対応できる人材を目指す上で、貴重な一冊になるはずです。未来のキャリアに思いをはせながら、ぜひ読んでみてください。

『日本の人的資本経営が危ない 強みを活かした変革の戦略』(佐々木聡/日経BP 日本経済新聞出版)

 従業員の知識や技能を「資本」と見なし、その成長のための取り組みについて具体的な情報を企業が公開する──いわゆる「人的資本の開示」を求める動きが世界的に高まる中、日本でも上場企業などを対象に、2023年3月期決算から開示の義務化が決定されました。「人的資本開示」そのものを身近に感じられていない人も多いと思いますが、企業としてのパフォーマンスや競争力に大きく影響する重要な指標になり、実は多くの人に関係してくるテーマです。
 『日本の人的資本経営が危ない 強みを活かした変革の戦略』は、パーソル総合研究所が経営者や人事部長に対して実施した最新調査に基づいて、強みを生かした人的資本経営の実現に向けた日本企業の姿と、カギを握る人事部の在り方を提示した一冊です。
 経営者や人事担当者はもちろん、日本企業がどのように人的資本を活用し、国際競争力を向上させようとするのかを理解するためにも、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

『消齢化社会 年齢による違いが消えていく! 生き方、社会、ビジネスの未来予測』(博報堂生活総合研究所/集英社インターナショナル)

 「消齢化」という言葉を耳にしたことはありますか?「生活者の意識や好み、価値観などについて、年齢による違いが小さくなる現象」のことで、「ハンバーグが好き」「夫婦はどんなことがあっても離婚しないほうがよいと思う」「木の床(フローリング)が好きだ」などあらゆる分野でその傾向が確認されており、メディアでの注目も高まっています。
 『消齢化社会 年齢による違いが消えていく! 生き方、社会、ビジネスの未来予測』は、「消齢化」という現象を発見した博報堂生活総合研究所が、その調査・研究結果をまとめた本です。
 商品開発やマーケティング、PR、広告などに携わる人にとっては、年齢別のアプローチを見直す上での一助となり、そうでない方も、自分や周囲にどんな消齢化の傾向があるのかを探しながら読むことができる一冊です。

『大谷翔平 二刀流メジャーリーガー誕生の軌跡』(ジェイ・パリス、関麻衣子:訳/辰巳出版)

 最後は2023年にひときわ輝いた人物、大谷翔平選手に関する一冊を。3月に開催されたWBCでは日本を優勝に導き、シーズンでは日本人初の本塁打王獲得やMLB史上初となる2度目の満票でのMVP選出。最近では、プロスポーツ史上最高額の10年総額7億ドル(約1015億円)でドジャースへの移籍を果たすなど、大いに私たちを楽しませてくれました。
 本書は、そんな彼のメジャーデビューやWBC優勝の軌跡を収録した、現地ジャーナリストによる永久保存版の一冊です。日本のメディアでは紹介し切れなかったエンゼルスファンの熱量、そして歓喜・落胆などが生き生きと描かれていて、普段、大谷選手の情報にたくさん触れている人でも楽しめます。
 思い返せば、その成功を危ぶむ声も少なくなかった「二刀流」。しかし大谷選手は自ら信じる道を進み、見事な活躍を見せています。ともすれば「常識」や「前例通り」に安住してしまう私たちに、改めて「挑戦」することの意義を教えてくれている大谷選手、2024年の活躍も楽しみですね。

 2024年はどんな年になるのでしょう。思いもかけないこともきっとたくさん起こるはずです。しかし、突然生じたように見える多くの事柄の芽は、往々にしてすでに目の前にあり、私たちが気づいていないだけだったりします。2023年に生じた芽に今一度、目を配っておくことは、きっと2024年に生きてくるはず。年末年始にこれらの本を読んで理解を深めることが、2024年をより良い年にするためのきっかけとなることを願っています。

(写真:FutureStock/stock.adobe.com)
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