高速コンピューティングを前提にしたクラウドサービスやAI(人工知能)の普及、自動運転車の開発などで、先端半導体の重要性と「不可欠性」は高まるばかりです。コロナ禍での半導体供給不足でダメージを受けた日米欧は、自国の産業を守るため、半導体製造で圧倒的なシェアを誇る台湾積体電路製造(TSMC)の生産拠点を誘致するなど、半導体の確保に国を挙げて取り組んでいます。つまり、半導体は経済安全保障における最重要の戦略物資となっているのです。さらに、米国の対中戦略でも先端半導体に関連する輸出規制が中心になるなど、半導体は産業だけでなく、国際政治においても「武器化」しています。新刊『半導体ビジネスの覇者 TSMCはなぜ世界一になれたのか?』をベースに、TSMCの強さの秘密に迫りつつ、先端半導体を巡る国家間の争いは今後どうなっていくのかを概観します。(写真:BINGJHEN/stock.adobe.com)