気づけば無理をしていない? 居心地の悪い場所や人間関係に身を置くと、自律神経は乱れ、心身の疲れが抜けない。大切なのは「自分の心地よさ」を軸に、小さな目標で小さな達成感を日々積み重ねていくことだ。そのために効くのが、「自分にとって大切なもの」を思い出し、改めて「大切にしよう」と意識するための「問いかけ」。日経ビジネス人文庫『心地よい自分が見つかる101の質問』(小林弘幸著)から抜粋・再構成してお届けする。

質問1
いつのまにか「居心地の悪い場所」を目指していませんか?

 多くの人が「世界が広がる」とか「自分のステージが上がる」という状況をよいことだと思っています。

 当たり前すぎて「そりゃそうでしょ」と感じる人も多いかもしれませんが、自律神経の研究者からすると「それは本当にあなたにとっていいことでしょうか」と問い直したくなります。

 たとえば、5年前より収入が3倍になり、セレブが集まるパーティーに参加するようになったとしたらどうでしょう。
 自分の子どもが有名私立の幼稚園に入り「つき合う人が変わった」という話もよく聞きます。

 ビジネスで活躍するようになれば、経済面だけでなく、属するコミュニティや交友関係が変わっていくことはよくあります。

 しかし、そこはあなたにとって「本当に居心地のいい場所」でしょうか。
 本当に目指すべき場所なのでしょうか。

 精いっぱいがんばり成果を上げてきたものの、気がつけば居心地の悪い場所で、ストレスフルな毎日を送っている人も少なくありません。
 周りの雑音に惑わされず「本当の居心地のよさ」を今一度考えてみてください。

大事なのはあなた自身が「居心地がよい」と感じられること

質問2
今すぐにできてしまう「小さな目標」は何ですか?

 目標というと、つい大きなことを考えてしまいますが、日常生活を心地よく、コンディションよく過ごすコツは「よし、これはできた」をちょこちょこ感じながら暮らすことです。

 「ずっと前からやろうと思っていた」なんて大げさなことではなく、今すぐにはじめられて、簡単にできてしまう目標は何ですか。

 最近ちょっと運動不足だと思ったら、立ち上がって1回でもいいのでストレッチしてみてはいかがでしょうか。これならすぐできます。

 読もうと思って置いてある本があるなら、それを1ページでも、2ページでも読んでみる。
 そんなことで全然OK。

 それをやったら「よし、これはできた」「これをやった」と口に出してみてください。
 その「小さなできた」を積み重ねるのです。

 まずは「小さな目標」を身近なところで見つけること。
 そして、それをサッとやってみる。

 1日ひとつでも達成できれば、それだけで十分に意味があります。

1日ひとつ「すぐにできること」をやる

質問3
それは「肉体的な疲れ」ですか?
「精神的な疲れ」ですか?

 疲れをどうリカバリーするか。
 現代人なら誰もが共通して抱えるテーマではないでしょうか。

 そこで最初に考えてほしいのは「それが肉体的な疲れか、精神的な疲れか」です。

 肉体的な疲れならとにかく休むこと。しっかり睡眠を取るのが一番です。

 むずかしいのは精神的な疲れ。
 「疲れ」と表現するとピンとこないかもしれませんが、病気が発覚して気分が落ち込む、対人関係の悩みがある、誰かを傷つけてしまった、失敗をして迷惑をかけたなど、気持ちの負担感はすべて「精神的な疲れ」です。

 精神的な疲れの対処法は「動くこと」です。

 落ち込んでどうしようもないときほど、立ち上がって散歩にでも出かけてみてください。
 立ち上がることも、散歩に出ることもできないときは、お気に入りの音楽を聴くのでもいいですし、身のまわりを片づけるのでもいいでしょう。

 精神的な疲れは何もしなければ残り続けます。
 もちろん、いずれは時が解決してくれますが、ただ待つのではなく、動きながら待つ。
 これもひとつの極意です。

心が苦しいときほど動く

落ち込んでどうしようもないときほど散歩がおすすめ<br>(写真:TYAK_FACTORY/stock.adobe.com)
落ち込んでどうしようもないときほど散歩がおすすめ
(写真:TYAK_FACTORY/stock.adobe.com)
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小林弘幸著/日本経済新聞出版/880円(税込み)