仕事をしながら自身で定めた目標に向かって勉強している社会人男女を多数取材しました。学びの“現場”である自宅の勉強机にスポットを当てて紹介しつつ、学ぶ理由やキャリアのヒストリー、その人なりの勉強のコツなどを掘り下げます。そこには、大人の学びを効率的かつ前向きに取り組むためヒントがたくさんありました。ムック『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』から抜粋してお届けします。

5時前に起きて朝勉している元バリバリ営業ウーマンのデスク

――39歳・電子部品メーカー・営業企画 小平ともみさん

毎朝4時45分に起き、息子が起きるまでの時間にキャリアコンサルタント試験の勉強に励む。(1)ニトリで買ったダイニングテーブルを勉強机に。椅子もニトリで購入。(2)勉強道具を入れた外出用のリュックを子ども用の椅子に置く。(3)ノートはコクヨのキャンパスノートを愛用。重要な部分はオレンジ色のペンで書き、赤シートで消せるようにする。(4)(5)キャリアコンサルタント試験の過去問題とそれらを収納したファイル。(6)時間を設定して集中して取り組む際などに使うドリテックの勉強タイマー。(7)間違えた試験問題を中心に、単語帳のようにカードリングでまとめた自作の問題集。(8)無印良品で買ったブック型ポーチに筆記具や手帳を収納。(9)プライベートの予定などを書き込んでいる『願いを叶える未来手帳』。(10)紙ゴミなどを入れるための無印良品のふた付きのミニゴミ箱。(11)個別スイッチで節電できる電源タップはスマホを充電しやすいようにテーブル上に固定している。
毎朝4時45分に起き、息子が起きるまでの時間にキャリアコンサルタント試験の勉強に励む。(1)ニトリで買ったダイニングテーブルを勉強机に。椅子もニトリで購入。(2)勉強道具を入れた外出用のリュックを子ども用の椅子に置く。(3)ノートはコクヨのキャンパスノートを愛用。重要な部分はオレンジ色のペンで書き、赤シートで消せるようにする。(4)(5)キャリアコンサルタント試験の過去問題とそれらを収納したファイル。(6)時間を設定して集中して取り組む際などに使うドリテックの勉強タイマー。(7)間違えた試験問題を中心に、単語帳のようにカードリングでまとめた自作の問題集。(8)無印良品で買ったブック型ポーチに筆記具や手帳を収納。(9)プライベートの予定などを書き込んでいる『願いを叶える未来手帳』。(10)紙ゴミなどを入れるための無印良品のふた付きのミニゴミ箱。(11)個別スイッチで節電できる電源タップはスマホを充電しやすいようにテーブル上に固定している。
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Q 何を学んでいる?

A キャリアコンサルタント試験

パソナの国家資格キャリアコンサルタント養成講習を2023年2月からオンラインで受講。150時間の養成講習の受講後は、80時間の試験対策講座を受講した。「週末にターミナル駅のワーキングスペースを借り、1日中こもってオンライン講習を受けました」。

Q デスクのある場所は?

A 東京都内の賃貸一戸建て(2LDK・63㎡)8畳の居間

家では早朝しか勉強できないため、2歳の息子が起きてくるまでの間、ダイニングテーブルに資料を広げて勉強机に。「10年以上使っているニトリのテーブルですが、勉強するのにちょうどいい高さ。脇の窓から朝日が差すので気持ちいいです」。

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Q デスク周りのお気に入りアイテムは?

A 本を見ながら作業がしやすいブックスタンド

ネットで購入したブックスタンドは、本を開いたまま立てておける。「本で学んだことをノートにまとめることを習慣づけているので、必須アイテムです」。

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A ドリテックの勉強タイマー

画面が45度の傾きで勉強中に見やすく、スタート・ストップボタンを押しやすい。「20分集中して5分休憩」のリズムで勉強することも。「キャリアコンサルタント実技試験のロールプレイが15分、口頭試問が5分の制限時間なので、その練習にも活用」。

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 「息子が生まれたことで、それまで全く意識することのなかった自分のキャリアについて、このままでいいのかと考えるようになりました。今、私は息子に誇れるような、本当にやりたい仕事ができているのかと――」。新卒で電子部品メーカーに入社以来、営業職1本で17年目を迎える小平ともみさん。2021年に37歳で第1子を出産後、気持ちの変化を感じ始めた。「営業の仕事には真摯に取り組んできましたが、心からやりたい仕事なのか、自分に向いているのかと自問すると、そうは言い切れなくて。自己分析をするなかで女性のキャリアを応援したいという気持ちに気づいたことから、キャリアコンサルタントの勉強を始め、23年8月に資格を取得できました」。

 高校時代に英語が好きになり、大学では短期留学も経験。海外赴任を夢見て、海外向けの売上が大きい大手の電子部品メーカーに就職した。営業職として鍛えられ、地方勤務も経験し、26歳で現在の夫と社内結婚。「結婚後、上司に『海外赴任がしたい』と伝えるととても驚かれました。当時、社内で女性の海外赴任経験者はほぼゼロだったので」。29歳のときに念願の海外赴任が実現。アメリカのカリフォルニア州、サンノゼに3年の任期で赴任した。1年目は単身赴任、残りの2年は夫が会社を休職し、専業主夫として同行した。

 希望した海外赴任だったが当初は挫折の連続だった。「アメリカでは現地の大手企業の顧客を担当。英語で論理的に主張できないとなめられてしまい、顧客から信頼を得るまでに本当に苦労しました」。くじけそうな気持ちを支えてくれたのは夫だった。「夫は話を聞くのが上手で、『それは大変だったね』と私の思いに共感してくれて。話しているうちに気持ちが整理され、気づきも得られる。のちにキャリアコンサルタントの勉強で知る傾聴の力を夫から学んだところは大きかったです」。

 アメリカ赴任から帰国後は、営業企画の部署で海外拠点を支援する仕事に従事。同時に社内で声がかかり、労働組合の支部執行部のメンバーに。4年間の任期の後半は支部執行部長を担った。「30代後半で妊娠できるリミットも迫っていたので、執行部の任期終了を見据えて妊活を開始。長男を授かることができました」。しかし出産後は、自分の体調や気持ちの変化に戸惑うように。「産後も体重が減らずに体が重く、腰の痛みもあり、1日中、赤ちゃんと家で向き合う生活だったので体力も落ちてしまって。自分でも驚くほど内向きになり、マイナス思考に陥ってしまいました」。

自分が経験した苦労を後輩のために生かしたい

 体調が完全に回復しないまま育休を終えて復職すると、新たな壁にぶつかった。「職場での会話がうまくいかない自分に戸惑いました。赤ちゃんを相手にばかり話す生活をしていたので、文章を組み立てて論理的に会話をすることが、うまくできなくなっていたんです。また、育児のために定時退社が必要な私のため、上司は業務量を軽減してくれていたのですが、3カ月ほどたって業務理解が追いつくと物足りなくなり、その先のキャリアをうまく思い描けなくなってしまいました」。

 全力で仕事に没頭していた出産前には想像しなかったモヤモヤした気持ちと向き合うなか、「息子との時間も大切にしながら、自分が本当にやりたいことを仕事にしていきたい」という思いが芽生えてくる。やりたいことを深掘りした結果、女性のキャリアを応援したいという気持ちにたどり着いた。「男性中心の業界で女性の営業職として海外赴任も経験するなか、一部の人から期待されていることと男性社会を生きる現状とのギャップを感じていました。そうした経験を踏まえて、後輩の女性たちが私のような苦労を極力せずに、子育てとも両立しながら望むキャリアを築けるように応援したいと思ったんです」。

 自身のステップアップと自分のキャリアを見つめ直すことを目的に、キャリアコンサルタントの資格を取得しようと、23年2月からパソナのキャリアコンサルタント養成講習をオンラインで受講。半年間の学びを経て資格を取得した。「キャリアコンサルタントは相談者が自分の適性や能力、関心に気づき、自分に合った仕事を選択することをサポートする役割。資格を生かして社内で人事に関わる仕事がしたいと上司にも伝えています」。

 キャリアコンサルタントの学びの課程で、アメリカの心理学者、ウィリアム・ブリッジスが提唱した「トランジション・モデル」が印象的だったと振り返る。「転機や節目における理論で、転機の第1段階には『終焉』があり、第2段階の『中立圏』を経て第3段階の『開始』で何かが始まるという考え方。私は子どもを持つという目標が、出産したことによって終焉し、モヤモヤした時期を経て、新しいことを始めようとしている。何かの終わりが変化のスタートだという考え方にはとても納得し、今の私の学びを肯定してもらえているような気がします」。

過去問、自作ノート…勉強の工夫

1 過去問を小さく切って一問一答式の暗記カードに

キャリアコンサルタント試験の過去問題を紙に印刷し、1問1枚になるように切って、裏に解答を記入。間違えた問題は青、解けたけれど繰り返し解きたい問題はピンクで印をつけ、それらのみをカードリングで単語帳のようにまとめた。「会社に出社してから始業までのすきま時間などを利用してまめに解いていました」。

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2 重要部分を赤シートで消せる 自作のノートを作成

書くことで記憶に残りやすいと自覚しているため、学んだことはノートにまとめる。覚えたいキーワードをオレンジのペンで書き、赤シートで消せるように。「後で書き足せるように、左ページにはテーマのタイトルのみ記入し、右ページにまとめることが多いです」。

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3 電車移動中はスマホで試験対策サイトの問題を解く

キャリアコンサルタント試験対策教材を複数出版している原田政樹氏が管理人を務めるサイト「みんなで合格☆キャリアコンサルタント試験」を活用。「過去問解説や一問一答、関連サイトへのリンクなどもあり便利。電車で移動中はスマホで問題を解くことを習慣にしていました」。

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4 「勉強した日」を手帳に記録。毎月の目標とできたことも書く

手帳が好きで、23年はメンタルコーチ、ワタナベ薫氏が監修する『願いを叶える未来手帳』(扶桑社)を活用。「ネットで見つけて初めて購入。使いやすいです」。月の始まりのメモページに、その月の勉強の目標を書き、月末に「できたこと」を書き加える。マンスリーページでは勉強した日をピンクのマーカーで塗り、モチベーションをアップ。

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年間100冊読むための読書ノート

年間100 冊を目標に読書。読んだらノートにアウトプット

「23年の年明けに今年は本を100冊読んでみようと考え、ただ読むだけではあまり身にならないので、読書で学んだ内容をノートにまとめることにしました」。コクヨのキャンパスノートの表紙にラベルライターで「読書アウトプットノート」とタイトルを貼り、読書内容をまとめたノートは半年で3冊以上に。「本を読んで気になるところに付箋をつけて、ポイントをノートにまとめます。モノを増やしたくないので、まとめ終わった本は、ずっと取っておきたいもの以外は古書店に売っています」。

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取材・文/藤川明日香 写真/工藤朋子

読めば勉強のモチベーションが倍増する! 史上初「勉強デスク」の本。仕事をしながら自身で定めた目標に向かって勉強している社会人男女を多数取材。自宅の勉強机にスポットを当て、学ぶ理由やキャリアのヒストリー、勉強のコツなどを掘り下げました。

日経ホームマガジン 日経WOMAN別冊、1430円(税込み)

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