年に何百冊もの本を読み、読書の面白さを発信しているインフルエンサーたちが、1年の初めに読みたくなる本はどのような本なのか。SNSで活躍している読書インフルエンサーに聞いた「今年読んでほしい」注目のビジネス書を紹介する。今回は、インスタグラムでフォロワー15.7万人の読書インフルエンサーKOZUEさん。

<このインフルエンサーに聞きました>

KOZUEさん( Instagram

  • フォロワー:15.7万人
  • 年間読書冊数:約300冊
  • 好きなジャンルの本:実用書、ビジネス書、自己啓発本
  • 読書スタイル:毎朝出勤前に自宅で読書をしています。一日を気持ちよくスタートできるような前向きで明るい言葉やメッセージが詰まった作品が好きです。お気に入りのコーヒーを片手に、太陽の光を浴びながら本を開くひとときがたまらなく好きです。
  • 読書術:読書中に出合ったフレーズや文章は読書ノートに書き写しています。誰かに見せるためではなく、元気がないときや頑張りどきにこのノートをパラパラと見返してエネルギーをチャージしています。

1年の始めに読みたい、おすすめのビジネス書

1. 『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術』 吉武麻子著、かんき出版

    <こんな人におすすめ>
  • 1年間、充実した毎日を過ごしたい
  • 毎年、目標を立ててもなかなか達成できない
  • 夢や目標の実現に近づける時間術を学びたい
  • やりたいことがあるのに仕事が忙しくて時間がない

 著者は、これまで延べ3000人以上に「時間の使い方」を指南してきた、タイムコーディネーター。1日は24時間。これは、誰もが平等に与えられた時間です。その中で、目標や夢を達成するためには「行動」が大切なのはもちろんですが、それと同じくらい、「自分が“動き続けられる”行動計画」を立てることが重要だと教えてくれます。

 この本を読むと、達成したくなる目標の作り方や実行可能な計画の立て方などを学ぶことができ、これまで自分が「目標」としていたことは「ウィッシュリスト」だったのだと気付かされました。

 では、どんな行動計画が必要かというと…1年目標を3カ月目標に、1カ月目標は1週間・1日目標に分解して、計画していくというもの。3カ月の目標を1枚の紙で見渡して確認できる「3カ月ガントチャート」や1週間のタスク管理を書き込むためのウィークリーページの作り方は、この本ならではの手法です。今すぐまねしたくなる分かりやすさも魅力。後半には、タイプ別の手帳の選び方も紹介されています。まだ、2024年の手帳をどれにしようか迷っている方がいるならおすすめです。

 仕事や家事、育児、介護など、やらなければいけないことをたくさん抱えながら、限られた時間の中で目標や夢に向かって動きたいと思っている人にぜひ読んでほしい1冊です。私自身、毎年新年の目標を立てるものの、なかなか達成できないことが悩みでした。今年はこの本を参考にしながら、2024年をどのように過ごすか計画中です。

2. 『STRESS FREE』 オリヴィア・リームス著、三輪美矢子訳、ポプラ社

    <こんな人におすすめ>
  • いつも何かとストレスをため込みがち
  • 心に余裕がなくて、不安や心配事が頭から離れない
  • 情報過多の時代に、自分なりの「ストレスとの付き合い方」を学びたい

 ストレスを抱えていて今すぐネガティブな気持ちを消したい人にとっても、じっくり自分なりのストレス対処法を学びたい人にとっても役立つ万能な一冊です。

 何より、どの章も簡潔で読みやすいのが特徴。また、実践しやすいワークシート付きで、読んで終わりにならないのがいいんです。

 第1章の「優柔不断を克服するための5つの〈本格〉メソッド」では、「正しい決断をしたかどうかよりも、決断できたことを喜ぶのです」という言葉がありました。「自分の小さな行動一つ一つにも目を向けて、自分で認め、肯定する」――今までの自分にはなかった視点で、この本の中で1番の学びでした。

 他にもちょっとした考え方や行動を変えるだけで、自分との付き合い方がガラリと変わるTipsがたくさんあります。例えば「ストレスに打ち勝つために遊び心のあるものを身近に置く」とか「孤独を乗り越えるために自分以外の問題に目を向ける」とか「逆境を乗り越えるために感情や考えを紙に書く」とか。

 この本に書かれているストレス対処法は、誰でも、いつでも「今この瞬間から」実践できるものばかりです。悲しみや苦しみの中にいるときはどうしても気持ちや視線も内向きになってしまいますが、この本を開くと、今ここにいる自分を一歩前に進めるヒントに必ず出合えます。

3. 『整える習慣』 小林弘幸著、日本経済新聞出版

『整える習慣』 小林弘幸著、日本経済新聞出版/「右の写真は、有隣堂チェーンバージョンの帯。凛とした女性のイラストの帯がとても気に入っています」
「右の写真は、有隣堂チェーンバージョンの帯。凛とした女性のイラストの帯がとても気に入っています」
    <こんな人におすすめ>
  • 自分の実力を十分に発揮するためのコンディショニング術を学びたい
  • 1年の始まりに、新たな気持ちで心身共に整えたい
  • 仕事でベストパフォーマンスを出したい

 著者は、順天堂大学医学部の教授であり、自律神経の専門家。医師として、多くの一流スポーツ選手のコンディショニング・アドバイザーもしている小林弘幸さん。手に取りやすい文庫本で、平易な文章で書かれていて、見開きごとに完結しているのでどのページをめくってもスイスイと読み進められます。隙間時間の読書でも、明日に役立つヒントに出合える本です。

 「仕事のクオリティーを高めたいなら『実力をつける』より『今の実力を出し切ること』に意識を向けるほうが圧倒的に近道」「必要なのは『実力アップ』ではなく『実力を出し切る方法』を知ること」――私は、この2つの言葉にハッとさせられました。

 つい、今の自分に足りないものに目を向けたり、さらに磨こう! と現状の自分に「何かをプラス」することを考えたりしていましたが、この本を読むと、今の自分のベストを尽くすための心と体を整えるすべや考え方を学ぶことができます。紹介されている108もの「整え方」はいろいろです。身の回りの整え方、時間の整え方、人間関係の整え方、体の整え方、食の整え方、行動パターンの整え方、メンタルの整え方、自分らしさの整え方…。

 特に、自分のタイプを知って自分らしさを整えることを説いている8章では、心に響く言葉がたくさんありました。自分が心地よいと感じる人生を選択するためのヒントに触れて、「本当の自分らしくいること」が、整った人生に必要であると再認識しました。

4. 『付加価値のつくりかた』 田尻 望著、かんき出版

    <こんな人におすすめ>
  • 営業職をしている、営業の思考法を学びたい
  • 営業スキルを自分の武器にしたい
  • 転職を検討中で「自分自身の付加価値」を見つめ直したい

 「営業利益50%超、平均社員給与が2000万円を超える」企業として注目されているキーエンスの思考法を学べる1冊。元キーエンス社員の著者だからこそ語れる「高付加価値の作り方」のノウハウは、一読の価値ありです。

 モノやサービスが飽和している今、私たちビジネスパーソンに求められるのは「いかにして付加価値をつくることができるか」です。この本では、AIやデジタル技術が発展していく中で、私たち人間が「本当に向き合うべき仕事」について考えさせられます。

 自分の価値と向き合い、転職を考えている人や将来のキャリアを考えている人には、特に役立つ内容です。「自分自身をいかにして付加価値のある人に育てていくのか」という視点で、さまざまなヒントがこの本には詰まっています。

5. 『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』 古野俊幸著、日経BP

    <こんな人におすすめ>
  • 就職、転職、副業を検討している
  • 今の自分の「強み」を再確認したい
  • 自分に合った働き方やキャリアの伸ばし方が知りたい

 この本は、ビジネスパーソンの日常にある悩みや問題を取り上げ、それらに大人気漫画『宇宙兄弟』(小山宙哉作、講談社)の登場人物たちがどのように立ち向かっていくのかを、人の個性を科学的に分析する「FFS理論」を用いながら解説している本です。

 本書の中には、『宇宙兄弟』の一部がエピソードとして掲載されていて、個性豊かなキャラクターを通して、楽しく自己理解・他者理解を学べます。

 私自身、『宇宙兄弟』をいつか読んでみたいと思っていたものの、普段漫画を全く読まないのでなかなか手に取るきっかけがありませんでした。でも、本書に出てくる漫画の名場面や登場人物の解説などを通して、『宇宙兄弟』のことを知ることもでき、自己理解も深まって、他の本にはないお得な読書体験ができました。

 自分の強みや個性、特徴、状態を知るきっかけになります。新しい1年をスタートする今、自分の「現在地」を把握するためにピッタリです!

構成/長野洋子(日経BOOKプラス編集部) 写真/KOZUEさん提供