内容紹介

80年代中頃にコンピュータ市場を席巻していた旧DECが、どうやって社員を洗脳し、強い企業文化を浸透したのかを克明に記録した異色の企業研究。当時この会社は、IBMと並ぶほどの威容をほこり、理工系学生にとってあこがれの存在だった。社員の会社への忠誠心は高く、経営トップも企業文化を定着させようと、電子メールやビデオ、印刷物などを使って、意図的に社員の「滅私奉公」を奨励。そうした過程や優秀な技術系の社員の多くが経営サイドの誘導にのせられて仕事中毒気味になって、燃え尽きていくさまなどがリアルに描かれる。13年前の発表当初から高く評価され、組織民族誌(エスノグラフィー)という研究分野における代表作のひとつ。