内容紹介
チェンジマネジメントの世界的大家であるコッター教授を有名にしたのは、『企業変革力』(原題Leading Change)で提唱した、変革のための8段階のプロセス。変革に成功した組織の多くは、以下のプロセスに従っていた。まず、「危機意識を高める」、ついで「変革推進チームをつくる」。そして、「適切なビジョンをつくる」「変革のビジョンを周知徹底する」と続き、「従業員の自発的な行動を促す」「短期的な成果を生む」となり、「さらに変革を進める」「変革を根づかせる」で完結する。
本書は、このプロセスの第一段階「危機意識を高める」に焦点を絞り、企業変革の最大の難問である「危機意識」をいかにして高めていくかを豊富な成功・失敗事例から説き明かす。
変革の大敵は、自己満足と、偽の危機意識。コッターは、こう説明する。
「自己満足に陥った人は『このままでいい』ので何もしようとしないが、偽の危機感に突き動かされた人は『何かしなければ』とやみくもに行動に走る。(中略)前者はぬくぬくと現状に甘んじ、後者は不安や怒りに駆られる。」
コッター教授が伝授する本物の危機意識を高める基本戦略は、「頭(理性)と心(感情)の両方に訴えかけ、目を覚まさせ、行動を促す」。この基本戦略に沿った4つの戦術も詳述されており、使えるマネジメント本になっている。