内容紹介
トヨタを独自の視点から分析して世界的ベストセラーになった『ザ・トヨタウェイ』の著者でミシガン大学教授のライカー氏が、トヨタの強さのポイントを深掘りした4冊シリーズ「トヨタ経営大全」の第2巻目。企業文化がテーマの今回は、トヨタのケンタッキーの工場でグループリーダー、組立マネジャー、工場長を務めたマイケル・ホセウスが共著者。「トヨタの世界経済危機に対する反応は、品質、安全性とチームメンバーの育成に対するコミットメントを再強化したことだった」(ライカー日本語版への序文)。具体的には、大型トラックとSUVの工場では、3000人の余剰人員を抱えることになったが、トヨタは正規社員の雇用は守り、この間、改善とトレーニングを行ったという。解雇されると予想した社員は、そうならなかったことで士気が高くなった、とライカーは述べている。
本書は、個人主義の国アメリカの工場を舞台にトヨタが苦労しながら築き上げてきた長期的な繁栄を目指す企業文化の在り様を、徹底した取材によって再構成している。