内容紹介
主に数論で数々の実績を残した、インドの数学者ラマヌジャンの評伝に、会話などを創作し、歴史小説化した数学読み物です。ラマヌジャン(1887~1920)は、インドの事務員の身で、数学研究に勤しみ、イギリスのG・H・ハーディに手紙を書いて、イギリスに渡り、本格的な数学研究の道に入ります。明確な証明がないものの、数論の分野で輝く成果を上げながら、32歳で病死します。ノートに書き綴ったおびただしい数式や近似式は、直感的、天才的な閃きによるもので、着想に至った筋道に謎が多く、藤原正彦著の『天才の挫折と栄光』などに取り上げられたりしました。下巻は、1916年1月から1920年に死亡するまでのストーリーです。ラマヌジャン主催の夕食会からの失踪、原因不明の発熱・入院、ロンドンの地下鉄での飛び込み自殺未遂、インドへの帰国、死去の連絡など。