内容紹介

 本書はあらゆる現場にみられるムダを省いて、コスト削減に成功した企業の事例を50件以上収めています。全社挙げての調達改革や生産物流改革から、「電気代や水道・光熱費を下げるには」「出張旅費を減らすには」といったごく身近なテーマまで、幅広い事例を収録しており、取り上げた企業の業種や規模も多岐にわたります。

 「ムダ取り」とタイトルにあるように、本書で紹介している事例はどれも、現場に無理を強いて実行するコスト削減策ではありません。価値を生む仕事と生まない仕事を“仕分け”し、ムダを取り除いて現場に活気をもたらす活動ばかりを取り上げました。そうでなければ、活動は長続きせず、コスト削減効果も一時的なものにとどまってしまうからです。

 「序章」では、「セル生産方式」の生みの親として知られ、ソニーやキヤノンなど300社以上の生産現場の改善を指導してきた山田日登志氏が、ムダ取りに成功する会社と失敗する会社の違いを長年の指導経験に基づいて指摘します。これに続く1~5章では、「統合する」「置き換える」「簡素化・標準化する」「無くす、やめる」「続ける仕組みを作る」の5つのアプローチ別に30事例を紹介します。また6章では、現場が取り入れやすい施策やムダ取り活動の勘所など20事例をQ&A形式で示しています。さらに7章では、ムダ取りによって現場力を高めていくうえで必要な「5W1H」の要素について、経営トップや現場リーダーの視点から提示します。

 日々の経営に潜むムダの撲滅に焦点を当てて競争力を高めたい経営者や、現場で業務を指揮するリーダー層に必携の1冊です。