内容紹介
製品の売れ行きは顧客が決める--。ごく当たり前のことですが、これを本当の意味で理解し、行動に結び付けているメーカーは少ないのが実状です。「高性能かつ低価格だったから売れた」「新しいマーケティング手法が功を奏した」。こうした過去の成功体験は、モノがあり余る状況にある今、もはや通用しません。顧客の心をつかんでこそ、モノは価値を与えられる時代なのです。そんな中、「感動体験(ユーザーエクスペリエンス)の創出」が多くのメーカーで注目を集めています。感動体験とは、商品にまつわる様々なサービスを通して顧客に感動を与えること。インターネットの通販サイトで、ありとあらゆる商品が購入できるようになった今、競合するメーカーは世界中に存在します。そんな競合の製品と差別化を図る上で、感動体験の提供は強い味方になってくれるのです。
感動体験を顧客に提供するためには、製品の製造過程における情報の流れを変革する必要があります。従来の「設計→カスタマーサービス」という一方通行の流れから、「設計→カスタマーサービス→設計」というフィードバックサイクルを確立する必要があるのです。
本書では、「設計・開発部門」「マーケティング部門」「カスタマーサービス部門」「その他の部門」の部門別に、モノ余りの時代に見合った顧客対応のあり方について解説しています。また、感動体験を創出するための具体的な「8つのステップ」を、グローバル市場において飛躍する企業の事例とともに紹介しています。製造業のあらゆる部門で活用できる1冊です。