内容紹介

新興国の急速な経済発展と人口増加にともなって、エネルギー不足が深刻になっている。さらに新興国の自動車普及がこれから本格化することから、石油の供給逼迫と大幅な価格上昇が予想されている。こうした状況を受け、エンジン車からEVなどへのシフト、スマートグリッドの導入による省電力の推進などが本格的に進められつつある。この際に、キーとなるのが電池だ。EVの問題点は価格と走行距離にある。そのいずれもが、実は電池の問題になる。これまで以上に電池の進化に期待が寄せられる時代になりつつあるのだ。日本は、その電池で世界をリードしてきた。ところが、需要の急拡大が見込める将来を考えるとき、現在の地位を保ち続けられるかどうかは、はなはだ心もとない。すでに新興国の追い上げを受け、シェアは急速に低下しつつある。かつてハイテク王国と言われた日本は、半導体、ディスプレイに続き、電池という未来のキーパーツまでも手放してしまうのか。その現状と問題点、そして解決策を探る。