内容紹介
病医院を構えている限り、いつどんな患者がやってくるかわかりません。来院患者の中でトラブルを引き起こすのは、おそらくほんのひと握り人たちですが、そのごく少数の患者が大問題なのです。特に最近では、「モンスターペイシェント」と呼ばれる一筋縄ではいかない迷惑患者も急増中。患者トラブルの発生後、なかなか解決できないでいると、対応する職員の疲弊、他の患者へのサービスレベルの低下、患者の減少、職員の退職といった悪循環を招き、医療機関の経営の土台が揺らぎかねません。筆者は毎年約400件の医療機関トラブルを解決するエキスパート。「日本で一番多くの病医院トラブルを解決している男」です。その解決方法は独特で、本人は電話で相談を受けて指示を出し、実際に行動するのは相談を持ちかけた医療機関の医師や職員の方々。だから、そこで繰り広げられるストーリーは、読者にとって大変役立つものになっています。実際に筆者が携わった患者トラブルを多数紹介しながら、紛争解決の「技術」を丁寧に手ほどきします。
今まで誰も語らなかった患者トラブル解決の「真髄」に迫る本書は、院長、事務長など医療機関の経営層はもちろんのこと、医療機関で働く全スタッフ必携の書。職員研修などにも最適です。
尾内康彦 (おのうち・やすひこ)
大阪府保険医協会事務局次長。1954年福岡県生まれ。大阪外国語大学卒。79年大阪府保険医協会に入局。税務経営や政策調査、保険請求・審査対策などの担当を経て、現在は会員の入退会などの組織管理を担当。業務の合間をぬって、ボランティアで年400件以上の医療機関トラブルの相談に乗り、「なにわのトラブルバスター」の異名を持つ。相談者である院長や事務長に電話で指示を出し、当事者の手による解決を導く独特の手法が持ち味。医療・介護の月刊経営誌『日経ヘルスケア』(日経BP社)で「病医院トラブル110番日記」を連載中。