内容紹介
「説明書を読まなくても楽しめた」「あっという間に数時間が経過していた」--。ビデオ・ゲームをプレイしたときに、こうした経験をしたことはないだろうか。ゲームは、「人を思わず夢中にさせる仕組み」や「快適で使いやすいユーザー・インタフェース(UI)」などを実現することに長けている。そんなゲーム制作のノウハウを体系化した理論が、「ゲームニクス」である。立命館大学教授のサイトウ氏が、20年以上ゲーム・クリエーターとして活動している経験を基にまとめ上げたものだ。
ゲームニクスは、「直感的なUI」「マニュアル不要の操作理解」「はまる演出」「段階的な学習効果」「仮想世界と現実世界のリンク」の五つを実現するノウハウ集である。こうしたノウハウは、日本人の根底にある「おもてなしの文化」の集大成とも言える。
ゲームニクスを活用すれば、機能競争から脱却して、使いやすくて夢中になるような、魅力的な家電製品を生み出すことができる。Apple社のiPhoneを上回る製品を日本メーカーが生み出し、世界に発信する可能性すら秘めている。
ゲームニクスは、家電のみならず、Webサービスや教育、ヘルスケアなどゲーム以外の分野にも適用できる。インタラクティブ性(双方向性)を要求するものであれば、どのようなものでもゲーム制作のノウハウを生かせる。 本書籍では、実例を交えてゲームニクスについて徹底的に説明し、その活用法を解説する。