内容紹介

新興国の人口爆発と経済成長で食料は逼迫
工業化・クラウド化が拓く未来像は?

 世界的な人口の増加と新興国の経済成長に伴って、近い将来、食料需要はひっ迫する。その危機を乗り切るため、関連産業は、大胆に変貌を遂げていくことになるだろう。
 カギとなるのは、エレクトロニクス・ICT技術とバイオ技術の大胆な導入である。これまで蓄積してきた技術に、二つの先端技術組み合わせ、新たな技術体系を構築することに成るだろう。その結果として出現するのは、高度に装置産業化した、次世代農業、次世代食料産業といえるものであろう。
 農業や漁業の分野では、植物工場や陸上養殖が積極的に導入され、装置産業化が進む。植物工場と陸上養殖を融合した「アクアポニクス」と呼ばれる事業形態も登場する。植物工場の利点である、高い安全性、安定した供給能力などに着目し、この事業に乗りだす企業が急増するだろう。
 畜産分野では、排泄物にも注目が集まる。これを新たなエネルギー源ととらえ、再利用する試みが始まっている。この技術が確立できれば、畜産はもはや家畜を育てる産業ではなくなる。
 食品加工分野では、微生物の工業的利用が進む。複合化技術も進展し、これらを使ったに安価な合成食品や新食材が量産できるようになるだろう。流通分野では、ダイレクト通販、One to One取引が急拡大する。食の流通革命が起きるはずだ。こうした変革を強力に牽引するのが、エレクトロニクス・ICT技術である。先端技術の導入は、設備産業化を促し、農業、食料生産などの実態を手工業的な家業から企業主体の工業へと変貌させる。設備導入や先端商品の開発には、大きな投資を必要とするからだ。知恵や経験だけでなく、先端技術を貪欲に取り入れる力と大きな資本力が必要になるのである。
 そのことが、業界統合の動きを加速させ、同時に事業領域の拡大をもたらす。ビジネスチャンスを求め他業種の参入も急増するだろう。そして近い将来、農業・食品産業は現在の姿からは想像すらできない「トータル・サービス産業」へと変貌を遂げるはずだ。

※第1章~第5章は、「医療・健康編」「食料・農業編」ともに同一の内容です。

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