内容紹介
「私が現代マーケティングの父なら、ドラッカーは現代マーケティングの祖父である」--。フィリップ・コトラーは本書に序文を寄せ、マーケティングの研究において、自分がいかにドラッカーの影響を受けたかを率直に語っている。ピーター・ドラッカーが「企業に不可欠な機能はたった2つ。マーケティングとイノベーションだ」と述べたことはよく知られているが、ドラッカー自身がマーケティングに関する著作や系統だった論文を残さなかったため、その具体的な考え方を理解する人は少ない。本書はドラッカーの教え子だったビル・コーエンが膨大な数の論文や寄稿、講義記録をつぶさに調べ上げ、マーケティングに対するドラッカーの見解を体系的にまとめた1冊だ。
コーエンはマーケティングに関するドラッカーの言葉を体系化しただけでなく、現代的な意味をより明瞭にするため、企業事例をふんだんに盛り込んで、読者に分かりやすく、面白く解説している。
IBMはなぜ「パソコン市場に参入の価値なし」と結論づけたのか?
ゼロックスはなぜやすやすと日本メーカーにコピー機市場を奪われたのか?
マクナマラ国防長官はなぜ「パイロットの増員は必要なし」と判断したのか?
著者は名だたるマーケターの成功事例とともに、失敗事例も多く取り上げ、ドラッカーの残した教訓の重さを検証する。マーケティングとは? 営業・販売とは? 企業経営とは?--多くのビジネスパーソンにとって、自らの仕事について胸に手を当てて考える重要なきっかけとなるはずだ。
■著者紹介
ウィリアム・A・コーエン
ウエストポイント陸軍士官学校で学位、シカゴ大学でMBA取得。クレアモント大学院大学のドラッカー経営大学院で経営学博士号などを取得。リーダーシップ、マーケティング、戦略立案の権威。カリフォルニア州立大学などの大学院で教壇に立ち、クレアモント大学院ピーター・ドラッカー&伊藤雅俊スクールでも教鞭を執る。