内容紹介
人が足りない--。マンション計画が白紙に…
駅前開発が凍結された…
小売業が出店抑制…
GDP成長率が大幅に下方修正された…
五輪特需に沸くなか、建設業界で「深刻なリスク」が顕在化。
人手不足によって需給バランスが崩れて、建設職人の労務費は上昇の一途です。
それが建設コストの上昇へとつながり、日本経済の足かせになってしまっています。
「人材危機」とも呼べる事態が、今、日本全国で進行中なのです。
原因は?実勢のコストは?対策は?
専門誌の記者が3年にわたって多角的に取材、
人手不足のメカニズムと処方箋を解き明かします。
【本書の主な内容】
■プロローグ <事業ストップ、人手不足で企業が悲鳴>
「建設費が高騰したので事業を凍結する」/「計画を縮小しても収支は厳しい」/
景気に水を差す「建設抑制」の影/少しの遅れで赤字が拡大/郊外から新築の住宅
が消える/公共予算消化できずにGDP伸び悩みも/東京五輪をどう乗り切る?/さら
に深刻化の恐れも
■第1章 <なぜ職人不足は深刻化したのか>
震災前から大工集まらず/型枠大工が足りなくなったわけ/「ワンコイン大工」
と呼ばれて/優秀な職人だけが残るのか/そして震災が起こった/「民間案件でも
辞退する」/入札不調が全国で続出/豊洲新市場は6割増額
■第2章 <続出する弊害、建築の品質に懸念>
(1) 労務費高騰が工事にブレーキ
[シミュレーション] 最新実勢価格と「積算本価格」に1割の差
(2) 被災地で前代未聞の設計者交代
(3) 人材の奪い合いが激化
(4) 資格者不足で受注できない
[インタビュー] 技術者を本社に囲い込むな
大林組副社長 金井 誠氏
[インタビュー] 「人手不足で受注できない」は心外
建設産業専門団体連合会会長 才賀 清二郎氏
(5) 品質崩壊の足音が聞こえる
■第3章 <五里霧中の人手不足対策>
・対策(1) 雇用・育成
技能研修で高校生の入職促す
仕事を学ぶ仕組みづくりで成果
今こそ直接雇用で信頼築け
強い現場力を取り戻せ
・対策(2) 待遇改善
賃金底上げが人手確保の第一歩
「真面目な会社が不利」からの脱却
「話してはいけない」関係から転換を
ラストチャンス、背水の職人待遇改善
・対策(3) 省力化
工場で部材製作してコスト削減
人気の省力化工法6選
[一覧] 主要建設会社が取り組む延べ89工法