内容紹介
魅力と意義をどう伝えるか--批判を共感に変える「広報力」の磨き方
建設産業も広報に力を入れ始めたとはいえ、土木の魅力や社会資本整備の意義が
十分に理解されたとは言えない状況です。本書は、従来のイメージを改善する
ために組織や個々の技術者に求められる姿勢や取り組みなどを、失敗例や各地の
成功例などを基にまとめたものです。市民が公共事業に対して抱いていたそれ
までの不信が、どのようにして共感へと変わっていったのかも実例を通して詳報
しています。土木や建設産業が「広報力」を磨き、市民や社会とゆるぎない信頼
関係をつくり上げるために、欠かせない一冊です。
主な内容
第1章 伝わらない「イメージアップ」
「広報したつもり」では響かない/根強い社会の不信感/深刻な若手の「建設離れ」/
外部から見た課題と魅力
第2章 地域の成功例に学ぶ
広がるギャップを埋めるには/地元の歴史や資産に着目/メディアを戦略的に活用/
工事現場は題材の宝庫/企画や入札を住民と共に
第3章 不信が共感に変わるとき
共感を生んだ「東京ジオサイトプロジェクト」/「必然」と「切実」が企画化のカギ/
地底に広がる物語の世界/問い直したインフラの存在意義/“土木”に好意的な市民の
多さに驚き/政治家ではなく中学生に依頼/ブロガーが潜在ファンを掘り起こし/
安全管理に「協力したくなる」仕掛け/「空間」から現場の人の「誠実さ」へ/
驚きと感動、そして共感
第4章 広報のノウハウを習得
仕事の意義や楽しさをどう伝えるか/観点の移動が創造力を生む/理想を掲げて
“アイデアの畑”を広げる/説得するより参加を促す/合意形成ではなく創意の形成/
「伝えて終わり」ではない/効果より「熱意」を伝えよ
第5章 インフラでコミュニケーション
魅力を引き出す活用法とは/ふれあいや憩いの場に再生/思いや歴史を伝える/
「遺産」でなくても観光資源に/情報発信にひと工夫/楽しむことは広報の基本
第6章 社会が認める土木技術者とは
求められる本質は変わらない/役立ち、喜ばれることが原点/「無意識の価値観」が
ギャップに/「魅力的な工事」と伝え方に落差/仕事の楽しさや誇りを実感