内容紹介


消費者利益の追求 --
不動産流通市場に「公平性」「合理性」「高品質」という「新しさ」を持ち込む

「サービスに満足」「知人に紹介したい」が94.8%
ソニー不動産・顧客満足度の秘密に迫る

2013年12月。ソニー本社20階、いわゆる「役員フロア」の一角にある十時裕樹の執務室に、2人の男が緊張の面持ちで座っていた。後にソニー不動産の社長になる西山和良とサポート役であった竹中重人だ。「ソニーによる不動産業への参入プラン」を、かつてソニー銀行を設立し、その当時ソニー本体の新規事業創出も取り仕切る役員である十時に対して、今まさに説明を始めるところであった。

「なぜソニーが不動産業を始めるのか?」

2014年4月、ソニーが不動産業への参入を発表すると、本業であるエレクトロニクス事業の立て直しが急務のなか、「ソニーの迷走」ではないかと、真意を疑う声が相次いだ。

2014年8月の業務開始以降、予想以上の反響と問い合わせがソニー不動産には寄せられている。そして、8月から11月までにサービスを利用した顧客のアンケートでは、「サービスに満足」「知人に紹介したい」と回答した人が94.8%に達したという。なぜ業界後発のソニー不動産が、これだけ注目されるとともに、顧客の心をつかむサービスを実現できているのか?

その秘密は、ソニー不動産が不動産業界に持ち込んだ「新しさ」と改革者たちの「志」にあった。

本書では、日本の中古不動産流通市場の現状と課題を解説した上で、ソニーが不動産業を始めるにいたった理由に迫り、同社のビジネスモデルを解き明かします。そして、それが日本の不動産業界に与える意味を考えます。

不動産業界に関わる方から、不動産売買を実際にお考えの方、さらには「ソニーがなぜ不動産業を?」と率直に感じた方に読んでいただきたい1冊です。