内容紹介
スウェーデン生まれの「タクティールケア」をご存知でしょうか。認知症や末期がん患者に対する精神的苦痛の軽減や疼痛緩和の効果が期待されているケア法です。
タクティールとは「触れる」という意味のラテン語。その言葉が示すとおり、
看護者や介護者の手で患者の手足や背中を包み込むようになでることにより、
脳下垂体から出されるオキシトシンの分泌を促進し、不安症状を取り除いたり、痛みを和らげたりします。
スウェーデンでは、すでに40年近い歴史を持つケアですが、日本に導入されたのは約10年前。
タクティールケアの効果を実感した医療・介護関係者らを中心に、
現場での取り組みが少しずつ広がっています。
本書では、スウェーデンにおけるタクティールケアの歴史をひも解きながら、
その効果と実際について具体的に解説するとともに、日本でタクティールケアを導入する施設を訪ね歩き、
現在どのような分野で活用され、どんな効果を得ているのかを取材しました。
さらに、タクティールケアを学びたい人に向けての受講情報も掲載しています。
認知症などのケアに携わる医療従事者をはじめ、患者家族も、タクティールケアの魅力を存分に知り、
日々の看護・介護に役立てていただける一冊です。