内容紹介
「ネット政治」が生んだキセキの29万票数名のスタッフだけで「ネットどぶ板」を展開し、参院選で支持団体なし野党最大得票を成し遂げた山田太郎。なぜ奇跡は起きたのか。
「ネット民は動かせない、票にならない」というのが常識だった。
それでも大政党は、選挙のたびに巨額を投じ、コンサルティング会社を参謀にしてネット民の票起こしに挑んできた。だが、結果はさっぱりだったという。
その常識をいとも乗り越えてみせたのが、支持政党も潤沢な資金も持ち合わせない山田太郎。「表現の自由」を掲げ「ネットどぶ板」選挙をわずか数名のスタッフで推進、オタクなどネット民から絶大な支持を得て記録的な得票を得たのである。
山田氏は勝因を「ネットの本質と選挙民の行動特性をうまく掴めたことにある」という。
この「選挙民」は「顧客」とも言い換えられるだろう。本書は、ネット選挙手記でありながら、ビジネスにそのまま使える「ネット・マーケティング戦略本」でもあるのだ。
■目次
プロローグ 203X年、政治家の物語
第1章 29万票に、なぜ人びとは驚いたのか
・冒頭の物語の意味
・29万票に、なぜ人々は驚いたのか
第2章 取材の嵐
・多くのメディアと対話する中で、気づいた大切なこと
・ネット選挙、ネット政治の誤解
・本当に大切なのは、強烈な「Why」
・ネットには、神様がいる
第3章 なぜ、ネットで訴えることになったのか(開戦前夜)
・ 日本を元気にする会は、なぜ元気がなくなってしまったのか
・ 有害図書指定とネットの盛り上がり、まとめサイト炸裂
・ 表現の自由を守る党を立ち上げる
・ 国連勧告による圧力
・ ネット放送、3ちゃんねるの定着
第4章 本番直前
・ 苦悩の立候補、10万票を目指す
・ 新党改革の推薦
・ 選挙態勢へ、秋葉原事務所開設
・ 為書きなし、ダルマなし、あるのは支援者の絵
・ 支援者周り、児童擁護、知的障がい者の会
・ 製造業への浸透
第5章 選挙突入
・ 毎日の3ちゃんねる、1000人と200名の初見さん
・ 街宣活動とネット活用
・ 公示日とボランティア襲来、3日間で終了、その後ニューディール政策
・ ポスタービラ
・ 期日前投票、選挙済みの証明書
・ ユニークな街宣活動、サイン会
第6章 ラストスパート
・ サーバーダウン
・ ネットドブ板と拡散、インフルエンサーの力
・ ベルサール前盛り上がり、ネットとリアル
・ 民進党への批判
・ ネットへの配信する小道具
第7章 投開票日
・ 出口調査、15万票。朝日新聞
・ 10万票を越え、15、20万票へ
・ 朝方、大都市圏の開票
・ 29万票の軌跡
・ そして落選
第8章 本当に負けたのか
・ 29万票は死に票ではない
・ 若者からのメッセージ
・ 官邸に呼ばれる
・ これからの政治、経済
おわりに