内容紹介



自動運転、次世代動力で見る“トランプ後”の自動車産業

日産・三菱連合の誕生など自動車業界の勢力図変化を解説
自動運転に取り組む自動車メーカー、部品メーカーの動向を詳説
リコールや排ガス不正など社会を揺るがした事件を分析

自動車産業のその規模の大きさからしばしば政治の道具になることがあります。新しく誕生したドナルド・トランプ米国大統領も、メキシコからの輸入車に難色を示し、米国での生産を求めるなど、発言に注目する必要があります。

しかし、自動車メーカーにとって現在の状況に対応することと、今後の戦略を練ることは同義ではありません。本書では、トランプ後の世界を見据えて、自動車産業の今後の行方を探ります。

最も大きな挑戦が自動運転です。自動運転はIT企業、そして新興サービス企業を巻き込んで、自動車メーカーを交えた激しい開発競争が勃発しています。2020年もしくは20年代半ばに、完全自動運転の時代がやってくることが想定され、これから10年以上、話題の中心であり続けるでしょう。この分野で負ければ将来はなく、全体の動向を知ることが自動車メーカー、部品メーカーの成長戦略に欠かせません。

2050年には新車からエンジンがなくなると言われるように、内燃機関から電動化へどのように転換していくかも大きな問題です。地球の温暖化は止まりません。自動車メーカーと地球環境は、「規制に対応する」という政府を介した関係でなく、未来の社会をどう造るかという根源的な問題なのです。そのカギを握るのは電池の性能進化、コスト低下ですが、その方向性を自動車メーカーの最新戦略とともに探ります。

2016年はそれ以前のフォルクスワーゲン、タカタなどに続いて三菱自動車の燃費不正が大きな事件となりました。自動車という高額商品において、顧客からの信頼は大きなブランド価値となります。法令を遵守し、公正に供することの大切さを改めて重視しなければなりません。正しいものづくりとは、どうあるべきか、その点についても経営と技術の両面からの考察をまとめました。

2017年の自動車産業は揺籃期にあると言えるでしょう。しかし、その中から、自動運転、次世代パワートレーン、正しい企業統治のトレンドを捉え、将来に備える必要があります。本書では、経営の専門誌「日経ビジネス」と自動車産業の専門誌「日経Automotive」の記事から、経営と技術のエッセンスを再構成しました。今後を正しく読むためにぜひご参考にしてください。

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