内容紹介
経済引っ張る"巨大なスマホ"がAI、新エネルギーを飲み込むAIと自動運転の切っても切り離せない関係を解説
ものづくりからサービスに移行する自動車業界を詳説
内燃機関車禁止への対応をEV、エンジンの両側面から分析
現在の好景気の一つの要素は自動車だと言われています。これまで10年、スマートフォン(スマホ)関連のサービスや部品が経済を引っ張ってきました。スマホの需要が一巡し、自動車に期待が向かいます。情報化、電動化によって自動車は“巨大なスマホ”になります。スマホの1000倍大きな電池、100倍大きな半導体、10倍大きなディスプレーが必要になります。これらの業界は大きな需要に期待し、その期待感が投資につながります。
その先を行く「空飛ぶクルマ」の実現に向かう人たちがいます。次世代モビリティーを突き詰めていくと、道路を走るという形にこだわる必要はありません。これからの経済を引っ張ると言われる人工知能(AI)も、用途リストの最上段を争うのは自動運転とロボットです。AIがなければ自動運転はない、自動運転がなければAIはない--。切り離せない関係にあります。自動運転の各要素は既に実用化を始めています。AIは経験値で成長します。路上に飛び出して腕を磨きます。
自動車業界はものづくりからサービスに移行します。ソフトバンクや中国・滴滴出行などIoTの巨人が自動車業界に攻め込みます。家電からは英ダイソンが参入します。迎えるトヨタ自動車や各国のメガサプライヤーも先手をとって変わろうとしています。
フランス、英国が2040年に内燃機関車を禁止する方針を打ち出しました。電気自動車(EV)化に突っ走るのか、EVより環境に優しいエンジンの実現を目指すのか。「あいつらは間違っている」と、ののしり合っている場合ではありません。両者が競争するのが健全な姿です。
足元を見た競争も激しくなっています。200万円でも静かなクルマを作らなければ生き残れません。HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)、AR(拡張現実感)も活用して使い心地のよいクルマを目指します。品質、規制対応で不正を起こせば生き残れません。タカタの二の舞は避けなくてはいけません。本書では、経営の専門誌「日経ビジネス」と自動車産業の専門誌「日経Automotive」の記事から、経営と技術のエッセンスを再構成しました。今後を正しく読むためにご参考にしてください。