内容紹介

「How to」なき戦略は、戦略にあらず

 経営戦略の「失敗」を経験したことがある人は約8割。そして戦略が失敗する原因の9割は、戦略そのものではなく「実行」フェーズにあり-。著者が実施した経営戦略の実行経験者500人に対する調査から得た結果です。

 経営環境が複雑さを増すなか、これまで経営戦略の主な失敗原因は、戦略の実行可能性が低かったとか、方向性が間違っていた、などと思われがちでした。しかし実際には、企業が成長するために何をすべきか、という経営戦略の「What」に問題があるケースは少なく、多くの場合は、実行フェーズで生じる課題を乗り越え、戦略をいかに実行するかという「How to」を十分に詰めていなかったことが、「失敗」の原因となっています。

 経営戦略の実行という日常業務にはない仕事だからこそ、実行メンバーは戸惑い、迷い、ときにスキル不足を痛感します。こうしたリスクを想定し、実行メンバーと組織の持てる力を出し切れるよう、事前に詳細なアクションプランを立てておくことが成功には不可欠なのです。

 本書は、「動かない組織」、「実行時の迷い」など経営戦略の実行フェーズで直面する6つの壁(代表的な失敗原因)に焦点を当て、豊富な事例を基に「成功の方程式」を徹底解説しています。ぜひ、戦略策定に、または実行フェーズの課題解決にお役立てください。

≪目次≫
序章 失敗頻発、経営戦略の残念な実態
戦略成功の要は「実行フェーズ」にあり

第1章 最も怖い「動かない組織」の罠を回避
少々驚かれるくらいの対策で心を揺さぶる

第2章 「迷い」を断ち切るアクションプラン
指示は作業レベルまで落とし込む

第3章 不足する組織ケイパビリティーを補完
スキルの質と量、組織の実行基盤がカギ

第4章 不測の事態への対処、戦略修正も視野に
PMOが担う最重要のミッション

第5章 実行部隊のモチベーションを維持せよ
「クイック・ウィン」で成果を早期に実感させる

第6章 戦略の成果を一過性で終わらせない
真の成功をもたらす「改善」の仕組みづくり