内容紹介

DXが「デジタル化」で終わっていませんか?
DXをIT部門に"丸投げ"していませんか?
DXはマーケターの仕事です!
今こそマーケティング視点のDX(DX2.0)を進めよう


日本にもデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が到来しました。
2020年はその波が大波になり、新型コロナウイルスの感染拡大によって、
あらゆる仕事やサービスが強制的にデジタル化されました。
ではそれがDXかと聞かれれば、「DXの一歩目であり、本質はその先にある」というのが私の見解です。

コロナ禍がもたらしたアナログからデジタルの置き換えは、
会社がどうにかして通常業務を維持していくために行ったものにすぎません。
いわば、商品やサービスを供給する側のDXです。

しかし、顧客や消費者はどうでしょうか。
供給側では、あちこちからDXという単語が聞こえてきますが、
DXのメリットを享受するはずの市場からは「便利になった」
「楽しくなった」といった声がほとんど聞こえてこないのが実態だと思うのです。

では、どうすれば市場が喜ぶDXを実現できるのでしょうか。
重要なのは、市場の声を聞き、市場の課題を解決することです。
そのためには、従来のように「ITの人」だけが技術面からDXにアプローチするのではなく、
市場の消費者に近く、市場を最も理解しているマーケティング部門の人や
マーケターが積極的にDXに関わる必要があります。

マーケティング視点を持ってDXを推進していくことを、本書では「DX2.0」と呼んでいます。
マーケティング視点を持つことによってDXの価値はさらに高まります。
コロナ禍で強制的にDX1.0が実現している今こそ、その勢いに乗りながら、
DX2.0を推進し、実現する絶好のタイミングです。
ぜひ市場を魅了し、ユーザーの心をつかむDXを実現してください。

【目次】
1章   今なぜデジタルトランスフォーメーション(DX)か?

2章   DXにはマーケティング視点が必要だ
2-1   日本企業のDX出遅れはマーケティング視点の欠如
2-2   マーケ視点のDX(DX2.0)とDX1.0
2-3   DX2.0には専門組織とリーダーが必要
2-4   DXリーダーに必要な3つの知見
2-5   マーケティングと経営の結びつきが重要
2-6   「アナログで十分」の壁をコロナが壊した
コラム   DX思考でトランスフォームするタニタ

3章   マーケティング視点のDXの4Pとは
3-1   マーケティング視点のDX(DX2.0)の4P
3-2   Problem(課題)
3-3   Prediction(未来予測)
3-4   Process(改善プロセス)
3-5   People(人の関与)
3-6   DX2.0の4Pと4C

4章   企業事例編
4-1   富士フイルム
  「Digitize or Die」、フィルム市場喪失を乗り越え成長
4-2   ウォルマート
  モバイル注文でラクに買い物、Amazonに負けない小売りの雄
4-3   フェンダー
  ギターレッスンアプリを提供、挫折を防ぎLTV向上
4-4   Zoomビデオ・コミュニケーションズ
  安定性と豊富な背景画像で国内でもWeb会議の定番に
4-5   SOELU
  ジム通いの時間、手間を解消、コロナ追い風に受講者急増
4-6   ウルトラチョップ
  Facebookに「LABO」開設、コロナ禍でも利益維持
4-7   Showcase Gig
  スマホで事前注文、非接触&省人化のリード役
4-8   シェアメディカル
  聴診器に200年ぶりの革新、デジタル聴診デバイスを開発
コラム   サイバーエージェント
  広告事業の枠を超え、マーケティングDX支援に乗り出す

5章   今日からできるDX2.0
5-1   企業のDX診断
5-2   Problemワークシート
5-3   Predictionワークシート
5-4   Processワークシート
5-5   Peopleワークシート
5-6   DX2.0の4Pワークシート

6章   DX2.0を理解するための重要キーワード