内容紹介

王朝継続を願う金正日、アジアでの支配権を狙う中国、衰退していく日米――。微妙なパワーバランスにある東アジアの安全保障が崩壊する日が刻々と近付いている……。日経きっての韓国通国際記者が送る近未来政治経済小説。

おすすめポイント

王朝継続を願う金正日、アジアでの支配権を狙う中国、衰退していく日米――。微妙なパワーバランスにある東アジアの安全保障が崩壊する日が刻々と近付いている……。日経きっての韓国通国際記者が送る近未来政治経済小説。

【渡辺利夫・拓殖大学学長の推薦文】
アジアは中華圏の中に着々と飲み込まれていかざるを得ないのか――。骨太のロジックで構成されたこの本からそれが「現実」のものとして浮かび上がる。
本書のような想像力を持たずして、この怪異なるアジアとは付き合うことさえ難しい。

【本書のあらすじ】
★201X年★
仁川国際空港のそばで南北海軍が交戦、同空港は全面閉鎖に追い込まれる。
韓国株が急落、ホットマネーが逃げ出して韓国は通貨危機に襲われる。
ただ、1997年の危機の苦い記憶から韓国はIMF(国際通貨基金)に助けを求めない。
米国は自身の危機に対応に手いっぱいでドルを貸すなど韓国救済に動かない。
日本も、反韓感情と迷走する政権の判断停止によって韓国の救済要請に応じない。
結局、中国が韓国の上場会社の株式の3分の1を引き受ける形で救済。
ほとんどの大広告主の筆頭株主が中国となった韓国メディアは、親中的な報道に転じていく。
米軍基地の街「振武市」には、基地追放を掲げる反米市長が誕生する。
地方参政権の急拡大を背景に、在韓中国人が住居を振武市に一斉に移し投票したためだ。反米市長は当選するやいなや全国から“反戦市民”を呼び集め、基地封鎖運動を開始する。

★201Y年★
北朝鮮が核兵器を完成する。
米国は核の傘を韓国に保障するが、韓国はそれを信用せず対北援助を再開するなど融和政策に転じる。
訪中した金正日が急病で平壌に戻れなくなる中、何者かが北の核奪取に動く。
日米は日本海にイージス艦を展開、北の核ミサイル発射を防ごうとするが、
「核を南北で共同保有した」と考えた韓国はこれを妨害する。

★201Z年★
韓国は米国との同盟を打ち切り中立化。
北朝鮮は中国の支配の下、改革開放政策を採用。南北ともに朝鮮半島は、昔のように中国圏に戻っていく……