内容紹介

こうすればみなもっと生きやすく、居心地のいい社会になるはず――。「居場所」をキーワードに、非正規労働、就職難、ワーカホリック、介護労働、高齢化、家族、恋愛など、気鋭の30代社会学者が縦横無尽に論じる。

おすすめポイント

こうすればみなもっと生きやすく、居心地のいい社会になるはず――。「居場所」をキーワードに、非正規労働、就職難、ワーカホリック、介護労働、高齢化、家族、恋愛など、気鋭の30代社会学者が縦横無尽に論じる。

著者は上野千鶴子ゼミ出身。震災後の居場所論も追加し、失われた絆を結び、再び社会のなかに戻していく「社会的包摂」の実践を目指します。

【著者からのメッセージ】
 『居場所の社会学』は刊行以来、多くに人にお読みいただき、様々なご意見、ご感想をいただいています。
 ミクロな人間関係について扱った前半部が面白かったという方、マクロな社会保障の問題にまで踏み込んだ後半部が面白かったという方、また特別収録のJ-POP対談が面白かったという方もいました。読む人の立ち位置によって、ひとつの本の読まれ方がこれほど変わるものかと驚き、またうれしく思っております。
 ただ一点のみ、この本を貫くテーマを挙げるとすれば、それは、多様化する現代社会において、いかにして不透明な「他者」と関係を結び、サバイブしていくか理解を深める、という点に尽きます。
 それを通して、我々が職場のなかに、家族のなかに、友人関係のなかに、社会のなかに「居場所」をみつけていく。その仕方について考えてもらうことが、この本の大きな目的です。
 本書では直接は扱っていませんが、最近話題となっているTPPに関しましても、それは、今後、日本が国際社会のなかでどのような「居場所」をつくっていくかという問題でもあります。
 そのためには「ぶつかり合う居場所づくり」がよいのか「ひとりの居場所づくり」がよいのか、我々自身が選択しなくてはなりません(「過剰適応」では長続きしないことは、本書でも繰り返し述べられています)。
 身近な問題から大きな問題まで。居場所の問題を考えるうえで最適な一冊を、是非、手におとりください。