内容紹介

第3回日経小説大賞受賞の傑作歴史ロマン!英国田園地帯の丘で波打つ、匂い立つ白い花の群れ。幕末の横浜での英国軍人と日本人女性との悲恋が種子となり、現代の欧州での偶然の男女の邂逅がその美しい薫りを蘇らせる。

おすすめポイント

第3回日経小説大賞受賞の傑作歴史ロマン!英国田園地帯の丘で波打つ、匂い立つ白い花の群れ。幕末の横浜での英国軍人と日本人女性との悲恋が種子となり、現代の欧州での偶然の男女の邂逅がその美しい薫りを蘇らせる。

音楽と花は似ている。流れ着いた旅先で美しく蘇る。
選考委員満場一致の傑作! 第3回日経小説大賞受賞


【あらすじ】
21世紀の英国。静かな田園地帯の丘に波打つ白い花の群生の清清しい香り。150年前、生麦事件直後の横浜で幕府の軍事情報探索の命を受けた英国軍人がいた。彼のある日本人女性への秘めた想いが、日本原産の可憐な花を、欧州で蘇らせたのか――妻と別れ心にぽっかり穴のあいた縣和彦が種苗会社のM&Aの調査中、偶然手にしたかつての英国軍人の手記には、吹き荒れる攘夷の嵐に翻弄されながらも、自らの本分をひたむきに生き抜くしかない多くの名もなき人達がいた。手記に心奪われた縣はやがて未来へ一歩踏み出すきっかけを見いだす……グローバリズムの時代を生きる寄る辺なき現代人に贈る、はかなくて烈しい極上の愛の物語です。