内容紹介
ひとり荒野をゆく-。長らく実現困難だと思われてきた夢の素子、青色LEDは、私たちの生活を大きく変えた。多くの困難や制約に直面しながら、世界で初めて「青い光」を現実のものにした研究者が開発の物語を語る。おすすめポイント
ノーベル物理学賞受賞者が、自ら語る開発秘話!赤﨑勇教授、天野浩教授らの研究グループは、こうして世界初の「青い光」を実現させた。
――すると、それまでのLEDでは見たことがないような、目に沁みるような鮮やかな青い色が、目に飛び込んできました。
このときの感動は、生涯忘れません。
このコバルトブルーの青い光を見て、私は、ようやく念願だったpn接合を実現したことの喜びをかみしめました。――(本文より)
照明、信号、スマホ、パソコン、ブルーレイ……。
今や、私たちの生活に発光ダイオード(LED)は欠かすことができません。
しかし、LEDは長らく光の三原色(赤、緑、青)のひとつ、青色がそろわなかったため、白い光を手に入れることができませんでした。
青色LEDは、その実現の難しさから、「夢の技術」と言われてきたのです。
では、どうやってその「夢」は、「現実」となったのか。
2014年ノーベル物理学賞を受賞した赤﨑勇教授自らが、幾多の困難にもくじけず、青色LEDの基礎技術を確立させた道程を語ります。