内容紹介
不戦開城決した江戸城に、てこでも動かぬ旗本がひとり。居てはならぬ旧幕臣の正体があきらかになるにつれ、城中の誰もが遠ざけ、おそれ、追い出せない……幕末の武士の屈託まで描き出す、時代ミステリー傑作。おすすめポイント
不戦開城決した江戸城に、てこでも動かぬ旗本がひとり。居てはならぬ旧幕臣の正体があきらかになるにつれ、城中の誰もが遠ざけ、おそれ、追い出せない……幕末の武士の屈託まで描き出す、時代ミステリー傑作。この侍が虎の尾なら、どこかに虎がいる。
今も変わらぬ組織人の忠勤ゆえの悲喜こもごもを、情感たっぷりにユーモラスに描き出した傑作!
先の見えない時代は平成の世も同じ。時代を越えて変わらぬ人間の弱さ、おろかさ、やさしさ、そして土壇場の底力を見せてくれるところはまさに浅田文学の真骨頂。読者の反響の高かった宇野信哉氏の挿絵を本文・装幀に使用。