内容紹介

大国の地位を狙う中国に対し、米国はどう対処すべきか。外交・安保政策の泰斗が、「国際秩序」のあり方を歴史的流れから問う!

おすすめポイント

近代国際法の元となったのは、三十年戦争の講和条約であるヴェストファーレン条約。これが結ばれたのが1648年のこと。この新しい条約によって、「ヨーロッパにおける秩序」が形成された。それ以降、大きな戦争が起きるたびに、「地域における秩序」は確立されてきた。しかし、結局のところ、適用範囲が広がれば、「秩序」の考え方を変えてきたのがこれまでの歴史である。

冷戦時代の枠組みは、アメリカ、ヨーロッパ先進国、ソ連といった限られた地域の国々が参加して作られた制度であり、地球上のその他の地域は初めから除外されていた。しかし、冷戦終結後、中国が台頭し、中東諸国がオイルマネーでさらに潤い、ブラジル、ベトナム、インドといった新興国が発言力を強め、アフリカ諸国もこれまで以上に国際社会でプレゼンスを高めている。ISや中国は、現在の国際秩序に真っ向から異議を唱えている。

この「真にグローバル化した」国際環境において、どのような「国際秩序」が作られるべきか? いま最もホットな話題に、キッシンジャーが挑む。