内容紹介
1回限りの大成長の後は長期停滞の罠が。興隆プロセスそのものに挫折の芽は潜んでいた。驚くべき失速の真因と厳しい展望。おすすめポイント
中国は「長い冬」に突入する!40年近い中国観察をもとに、著者渾身の書き下ろし!
中国リスクはきわめて巨大だ。失速どころではない。中国が直面する問題の核心を、経済のみならず、政治、歴史にわたって解き明かす。
■中国経済の失速は短期的な調整過程では終わらない。長期にわたる停滞への入り口にすぎない。積み重なる過剰生産能力、不良債権、金融リスクの解消プロセスについて、共産党の指導層は明確な具体策を持ち合わせていない。
■投資主導型から消費主導型経済への転換、イノベーション、都市化による経済発展を軸とする習近平改革、「新常態」への移行は失敗に帰するだろう。中国は、「中所得国の罠」から脱出することはできない。「結社の自由」を認めず、市場のはたらきを理解しない指導層の下では、発展の芽が押し潰されるという基本的な限界があるからだ。その意味合いは、日本の近代の経験との比較から浮き彫りにされる。
■中国のGDP統計も、また、より実態に近いとされる「李克強指数」も現実を映してはいない。独自の経済動向をとらえる指標を開発、早くから中国経済の変調を指摘してきた著者が、中国が抱える問題を、経済はじめ、政治、歴史、日中近代化の比較を通じて、より幅広く、深く解き明かす。
■1970年代後半の鄧小平台頭期以降、中国の知識人を中心に40年近くにわたる幅広い交流を重ね、中国社会の発展、変貌ぶりを冷徹に観察し続けてきた著者による初の中国論。