内容紹介
過酷な状況でも生き残れる強い組織をどう作る。権力闘争を乗り越えて頂点に立つには? 為政者、経営者が隠れて愛読する名著を解説。おすすめポイント
社長は必ず読んでいる権力論。対抗するには……読むしかない!
「これぞ行動心理学の極致。君主も民も、弱きヒト。」
(ビジネス書大賞2014『経営戦略全史』三谷宏治氏推薦)
『韓非子』は、戦国時代の思想家韓非の著作です。西のマキアベリ、東の韓非子という言葉がありますが、『韓非子』全編を貫いているのは、人間の本性は「弱さ」であるという考え方です。
中国の古代において『論語』の理想とするような組織は、時代が下るにつれてその批判や改革への試みが徐々になされていきました。その解決策として誕生したのが本書のテーマである『韓非子』です。
その意図は「ムラ社会のような目的意識の強くないユルい組織を、成果の出せる引き締まった組織に変えたい」ということ。強敵が外部に多数ひしめく過酷な状況でも生き残れる、筋肉質な組織を『韓非子』は作ろうとしました。
また『韓非子』は、組織にいる人間がそのなかで生き残るための教科書という一面も持っています。
『韓非子』は次のように言われることがあります。
「経営者が愛読しているにもかかわらず、それがほとんど口外されない名著」
どんな名経営者であっても、組織の頂点に立ち、それを維持するためには、ライバルや派閥間の抗争、権力闘争を乗り越えなければならない状況に直面します。当然そんな状況で用いられるノウハウは、きれいごとばかりではありません。他人に堂々とはいえないような手段も駆使せざるを得なくなります。
さらにこうしたノウハウは、下にいる人間にとっても多々必要になります。どうしようもない上司や同僚に対抗するため、巻き添えになって責任をとらされないため……そういった状況での権力の握り方や、権力闘争のコツといった知恵を学ぶ糧として『韓非子』はあるのです。
本書では『論語』的な立場(徳治)、『韓非子』的な立場(法治)の二つを対比させながら――それぞれの考え方の特徴とその強み、弱み、さらには現代的にどのような意味や活かし方があるのか、について解説しています。
過酷な時代を生き抜くために、すべてのビジネスパーソンに読んでいただきたい一冊です。