内容紹介
粉飾・横領・詐欺――「まさか」はこうして始まる。フリーランスの経理部長が教える組織や人間関係などの内にある危険な兆候。おすすめポイント
◆まさかあの人が! ――会社の中で不正は常に起こっている東芝事件はセンセーショナルなものではあったが、ここ数年ニュースになった不正・横領・着服・キックバック等の問題だけでも学校法人、郵便局、国営放送子会社、大手飲料メーカーなど多岐にわたり、果ては66歳の経理社員の総額6億円以上の横領が原因で当時の社長が資金繰りを苦に自殺するという事件まで起きている。
不正をする会社や社員は、一見して外見も内面もろくでもない奴らだと思われがちだが、実際は違う。「まさかこの会社が」「この人が」と思えるような普通の会社や社員が不正をしたり、他者に不正を強要したりするので、なかなか表面化しないのだ。
◆プロの経理だからわかる不正の兆候
「東芝の不正はひどいね」「あんな横領、なぜ気づかないの?」と言っている自分の会社は大丈夫か、隣の席の人は信じられるのか?
「気が小さい人ほど大胆にやる」「劣等感と名誉欲で粉飾」「周囲の社員への仕返し」「快活に振る舞う人が危ない」「不器用そうに見せる人が一番手強い」「礼儀正しすぎる人の不正は見逃しやすい」「プライドの高い上司ほど騙される」「事務にお金をかけない社長は簡単に騙せる」――本書は、経理アドバイザーとして複数業種の会社を見てきた筆者が、会社組織という集団にこそ潜むモラルの脆さを、その経験を通して伝えるもの。
不正者の言動や伝票の出し方など、経理ならではの視点から見た笑えないエピソードも加え、組織で働くすべての人に向け、「誰もが不正に手を染めかねない現実」に警鐘を鳴らすものでもある。